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【新年インタビュー】弘進ゴム西井英正社長

国内工場の稼働最大化し利益確保へ

工業用品 2017-01-17


 ■国内工場の現況と計画
 亘理工場は、SWでINJブーツ(樹脂製長靴)、化工品ではビニルホース、樹脂サクションホース、シートを生産しており、引き続き稼働率を高めることにしています。

 特にINJブーツは当社の戦略商品として今後、まだ機能を認知していただいていないユーザーをターゲットに認知してもらうため、国産品の良さを徹底にアピールしていく考えです。化工品も、複合樹脂ホースの高機能品を、しかも国産品として強く訴求していきます。

 北陸工場はゴムホース、自動車・建機用の成形ホース、SWでは業務用布靴を中心に生産しています。今後の課題としては、成形ホースで培った技術をさらにアピールするため、自動車や建機といった既存ユーザー以外のユーザー開拓を、代理店の支援を受けながら進めていきたいと考えています。

 一方、今期も国内2工場の生産を最大化し、徹底したコストダウンを図り、安定的な利益を確保することを基本方針のひとつに掲げ、取り組んでいます。この上期では、亘理工場も北陸工場もともに生産高は前年同期比1%増と、計画通りに進捗しました。材料価格が安定していることが寄与しましたが、何よりも自社生産の最大化が市場ニーズに合致し、計画以上の進捗が図られていることが最大の効果を生んでいるものと思っています。

 ■震災復興、オリンピック、リニア新幹線需要の見通し
 震災復興については東北にある企業として、どのような小さな需要でも復興のために積極的に関わっていきたいと考えています。オリンピック、リニア需要については、今のところ表立ったものはありません。しかし、今後のインフラ整備、例えば道路の補修や土木工事などの直接資材や作業者向けの用品といった需要をターゲットにし、情報収集・PR活動を展開していきます。

 ■17年度の経営方針と課題
 17年はビジネスモデルの転換期と認識し、将来を見据えた行動を行い、基礎をつくり上げていく年度と位置付けています。特に今後の少子化では、当社商品のユーザーが減少することが予想されるため、産業構造の変化によるニーズの変化をいち早く予測し、ビジネスモデルをそれに合わせていくことが何よりも重要だと思います。

 また海外への販路拡大は欠かせない要素であり、現在精力的に活動しているところです。加えて人材育成が今後の大きなファクターと考え、人事制度の改定を機に社員一人ひとりが考え、行動できるよう育成方針を定め、取り組んでいきます。

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