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【新年インタビュー】弘進ゴム西井英正社長

国内工場の稼働最大化し利益確保へ

工業用品 2017-01-17


 16年5月期は、国内工場の稼働の最大化を掲げ、日本製品で利益を確保する方針が奏功し、増収増益に転じた。「化工品、シューズ・ウェア(SW)の両部門ともに、国内工場生産品を積極販売することで、今後も当社本体に利益が還元できる体制を構築していく」と、西井英正社長は語る。

 ■2016年を振り返って
 ここ数年にわたる円安で輸入品の価格上昇により、日本製品が見直されてきたことを背景に、当社は前期(16年5月期)の年次方針で国内工場の稼働の最大化を掲げました。日本製品で利益を確保することが収益の安定化につながる、と判断したからです。

 この方針を全社で目標化し、化工品部門ではゴムホースやシート、自動車・建機部品、SW部門ではINJブーツ、厨房用スニーカーなどの国産品の稼働率を上げ、販売を強化したことが前期の業績回復につながったとみています。この方針は今期(17年5月期)も引き継ぎ、円安あるいは円高の為替動向に左右されない企業体質の強化に努めます。

 ■16年5月期業績
 前期の売上高は127億4,000万円で前期比3.1%増となり、利益も増益を達成しました。部門別売上高では、SWが77億200万円で同1.3%増。シューズは、特に冬物が暖冬の影響で厳しい販売状況でしたが、輸入品を中心に価格改定を行ったことが収益の改善に一部つながり、また地震対策関連の商材の特需もあって増収となりました。

 化工品部門は50億3,800万円で同5.8%増となり、内訳は工業用品が36億2,000万円で同5.5%増、産業資材が14億1,800万円で同6.6%増となりました。自動車用ホースで新規の受注が入ったことや、建機用ホースも中小型建機向けに需要が戻り、まずまずの売り上げ状況となりました。

 その結果、生産部門では亘理工場(宮城県亘理町)の生産高が前期比6.5%増、北陸工場(トヤマ弘進、富山県小矢部市)は同11.8%増となり、稼働最大化という成果が表れつつあります。

 ■17年5月期の業績見通し
 今期上期(16年6-11月)までの状況をみると、売上高は61億円で前年同期比5.5%減。内訳はSWが35億円で同10.5%減、化工品が26億円で同2.4%増となりました。SWは市場低迷で厳しい状況が続いており、化工品は自動車・建機関連向けホース、EVAフィルムの新製品が需要増となり、堅調に推移しています。

 下期はSWなどの消費財が、ここにきてデフレ傾向が鮮明になってきた中で、消費者の購買意欲の低下が強く出ています。化工品は、自動車用ホースの新規受注が続くため、堅調に推移するとみています。

 そのため通期(17年5月期)の売上高は、前期に比べてほぼ横ばいの127億円(SW72億円、化工品55億円)を見込んでいます。利益面では、国内工場の増産効果もあり、引き続き増益を計画しています。

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