【新年インタビュー】入間川ゴム清水佑樹社長
営業、社内制度両面で施策進める
工業用品 2017-01-17
■新中計の施策(営業面)
年に1回の展示会への出展を検討しています。出展の際には毎回新しい提案をすることを目標に据え、技術開発のモチベーションを高めたいと考えています。定期的に出展することで来場者に意見や要望を頂き、その情報を基に次の展示会に向けた活動をしていくという一連の創発サイクルを回せるようにしたいです。現在は参加する展示会の選定を行っているところです。
また営業所を東京に戻すことも検討しています。ユーザーの多くが都内所在のため、本社(埼玉県狭山市)から訪問に時間が掛かることがネックとなっています。ユーザーとの関係をさらに密にするため、中計の中でメリット・デメリットを精査していきます。
■新中計の施策(社内制度面)
人事評価制度や給与制度を抜本的に見直します。給与制度は、高度成長期の年功序列制度のままで時代に合わなくなっています。頑張った分は正しく評価され、報われる形にすることで従業員のモチベーションを高め、社内を活性化させていきます。そのほか、製造工場のリスク対応策として、BCP(事業継続計画)の策定も進めていく予定です。
■期待する製品
昨年3月に上市した新素材「イルティメット(IPF-9175)」に期待しています。耐アミン性と耐溶剤性を大幅に高めたフッ素ゴムで、強塩基やケトン系溶剤等にも使用でき、230℃という高い耐熱性も備えます。商品名は「アルティメット(究極)」と「イルマ」の組み合わせで、ケミカルプラント等での使用を想定しています。新規取引先を含み数社からオーダーを頂いており、販路が少しずつ広がっている手応えを感じています。在庫販売を行っている低反発ゴム「NXB-365」や耐薬品性フッ素ゴム「アフラス」等の特殊品も合わせて展開し、そこから汎用品の販売にも繋げていきたい考えです。
■東北営業に注力
営業地域としては、東北地方の営業に引き続き注力していく方針です。関東、西日本に比べ、東北地方は代理店を通じての展開だったので比較的馴染みが薄かったのですが、震災以降情報収集も兼ねて月に1回の営業を実施、現在も2カ月に1回の割合で活動を継続することで“イルマ”ブランドも除々に浸透してきたと感じています。仙台中心の展開ですが、今後は東北全域に活動の幅を拡げていく予定です。
■設備投資
1月に試験用の連続加硫機を導入する予定です。これまでは開発品をロットの大きい実機で試作していたため、上手くいかなかった際に大量のロスが出るなど問題があったのですが、試験機用は小ロットに対応しているのでコスト面でも安心です。トライアルを積極的に行えることで、開発スピードの向上や効率化が進むことを期待しています。
■低反発ゴムが鉄道総研で評価
当社の低反発ゴム「NXB-365」が、鉄道線路にも活用できる性能を有していることが、鉄道総合技術研究所の研究結果で明らかになりました。使用箇所は鉄道線路の枕木の下で、震動を吸収することでバラスト(砂利)の沈み込みを軽減する効果を発揮します。バラストの補修には多く人数が携わっており、低反発ゴムを使用することで負担軽減に繋がる可能性があることが研究により示唆されています。あくまでも研究段階であり、今後どのような方向に進むかは分かりませんが、鉄道関係の雑誌にも取り上げられ、有効性を認められたことは大変嬉しく思います。
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