【新年インタビュー】東北ゴム大西正哉社長
多技能者を増やし、製造課ごとの収益力向上めざす
工業用品 2017-01-17
■オリンピック関連需要の見通し
エスカレータについていえば、まずは建物の立地が決まらないと人の動き・流れによる需要が見えてきません。そこが決まればどこに新設しようか、あるいはどこを交換しようかという需要が見えてきます。オリンピック関連は施設を含めて決まっていない部分が多いので、動き出すとしたら18年ごろになるのではないかとみています。
■今後の経営課題
当社はまだまだ内需中心型です。成長ということを考えると、もっと外に出ていかなければなりません。海外市場への挑戦にはいろいろ課題はありますが、技術者による現地リサーチを行った結果、商機はあると感じました。注力するためのリソース、組織をどのように整えるかが課題です。
■人材育成
収益力を上げるためには、現場力を上げないといけません。我々にとってはモノづくり力が第一ですので、現場での一体感の醸成を加速させるために、様々な方法で現場における人材育成に取り組んでいます。
1つは16年1月から実施している「係長会」があります。現場での安全活動や改善の取り組みについて、係長自らがリーダーシップを発揮し、自主的に活動計画を策定、自らが実行する場としています。成長する機会をつくることが大事だと思っています。
また係長の下に位置する主任・班長クラスをリーダーに任命して、16年8月から「2S・3定活動」を行っています。2Sとは「整理・整頓」、3定とは「定品・定量・定位置」、つまりムリ・ムダ・ムラをなくすための活動です。
さらに課長クラスについても、16年4月から経営的なセンス、知識を磨くために外部講師を招いてセミナーを実施しています。財務諸表の読み方などの社内講座もスタートさせました。一方、中堅技術者向けには東北生産性本部が主催する研修会への参加を昨年から始めています。
こうした一連の活動は、横のコミュニケーションを活性化させるという効能もあります。隣の組織がやっていることを聞き出し、自分のやっていることを伝えることで新しいアイデアが生まれます。そうした中でリーダーとして自分の職場をレベルアップさせる、部下を教育する、現場のムリ・ムダ・ムラをなくすという行動につながるのだと思います。
こうした力が収益力に結びついていくものだと思っています。ステップアップのための“気づきの機会”を従業員に与えることが重要だと考えています。
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