【新年インタビュー】東北ゴム大西正哉社長
多技能者を増やし、製造課ごとの収益力向上めざす
工業用品 2017-01-17
「ここ数年、場合によっては製品の取捨選択も行いながら収益力にこだわってきた。次の投資、新製品に結びつけるためにも収益力向上が必要だ。また部門間の需要変動を捉え、忙しい部門はさらに伸ばせるように、多技能な人員を増やすなどして収益力を上げる手立ても講じている。その取り組みに手ごたえを感じている」と、大西正哉社長は次のように話す。
■2016年を振り返って
売り上げ状況をみると16年度上期(4-9月)は、建築・土木関連が良くなかったが、下期に入って大口の案件が獲得できたことや、代理店、お客様の支援もあって、通期(17年3月期)の売り上げ目標は、当初計画通りに達成できるめどが立ってきました。
第4四半期(17年1-3月)が残っていますが、収益力はまだ課題を抱えているので、17年度は引き続き収益力をつけることに重点を置いて臨みたいと考えています。
■製品別にみた足元の状況
エスカレータ用ハンドレールは、15年に続いて16年も保守・交換案件が活発で、通年を通してフル生産が続いています。最初は特需的な動きでしたが、それが契機となって次の需要を呼び込むという好循環につながっています。
東京オリンピックをにらんだ交換需要があるのかもしれませんが、駅舎、デパート、その他商業施設、さらに空港での取り替えが進んでおり、ハンドレールは今しばらくフル生産が続くとみています。
ゴムホースは、土木関係が伸び悩んでいます。当初、老朽インフラの再整備の中で需要が見込まれるという声がありましたが、現状ではあまり動いていません。ただ、ホースは第4四半期に大きな注文が入っていますので、何とか挽回したいと考えています。
ゴムシートは“景気のバロメータ”とよく言われますが、足元は比較的堅調で、在庫品の動きもまずまずだったといえます。フロアシート、静電気対策品のエレリークは安定した生産が続いています。また、ゴム製スクリーンは9月以降、鉄鋼向けに再び動きが戻ってきました。インフラ整備や建築関連が伸びていくと、セメント需要も期待されるので、その流れの中で砕石向けもひとつのねらいであるとみており、今後に期待しています。
■多技能化
当社では製品別に拡販ワーキングチームをつくり、集中的に活動しています。また、製造部門では需要変動を捉えて忙しい部門をさらに伸ばすことにも注力しています。これを実現するため、工程間を行き来するマルチオペレーター(多技能者)を増やして製品ごとの忙閑を吸収しています。“多技能”な人員がスムーズに動くことにより、製造課ごとの収益力向上にもつながると考えているからです。
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