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【新年インタビュー】加貫ローラ製作所加貫泰弘社長

「密着型営業徹底し、高付加価値品を提案」

工業用品 2017-01-06


 今年度(16年4月)から社内初となる中期3カ年経営計画をスタートさせた加貫泰弘社長。今年も持ち味の“密着型営業”と優れた技術開発力を背景に、「ユーザーニーズにあった高付加価値製品を積極的に提案していく」と語る。

 ■2016年を振り返って
 経済的にはインバウンド需要による一時的な売り上げの増減、米大統領選挙時の株や為替の乱高下など、情報に過敏に反応し振り回される、安定感や力強さに欠けた1年だったという印象です。

 当社では今年度から社内初となる中期3カ年経営計画をスタートさせ、企業理念の「新しい価値の創造」を目指し全社一丸で取り組んでいます。年初は経済の伸長を予測し、初年度としてはかなり強気の計画を立てましたが、上期(16年4-9月)は需要も堅調に推移し計画を達成できました。しかし下期から状況が一転、主要需要先の動きが鈍化し不透明感が増してきています。16年は波に乗り始める年にしたかったのですが、通期計画の達成は厳しくなったとみています。

 ■16年度上期業績について
 15年度下期からの好調が持続し、印刷用、工業用ともに需要は底堅く推移しました。印刷用は油性印刷向けの需要が低迷し、全体の市場は縮小傾向にあるものの、速乾性や短納期を実現するUV印刷向けの需要は伸長し販売を伸ばしました。また工業用も主力の高機能フィルム向けで機械メーカーに設備投資の動きがあり、需要は堅調でした。

 製品面は、UV印刷向けではインキングローラー「アバントUV」、フィルム向けでは巻き取りコア「e-コア」などが業績に貢献しました。

 ■2017年の経営方針
 今年も当社の持ち味である、ユーザーとの対話を重視しキメの細かい対応を旨とする“密着型営業”を徹底します。技術者との同行営業なども継続して行い、当社の比較的弱い地域や市場に重点的に展開。自社開発の試験機も最大限に活用し、ローラの効果を数値化することでユーザーに説得力と安心感を与え、受注拡大を図ります。

 また最近はゴムの材質ではなく、ローラとしてのトータル機能が求められる傾向があり、ユーザーの要望も年々高まっています。これらに応えられるよう、表面加工等の技術力も高めているので、ニーズにあった高付加価値製品を積極的に提案していきます。

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