2020年3月期業績
住友理工、原価低減策などで純利益は黒字転換
工業用品 2020-05-12
住友理工が5月12日に発表した2020年3月期業績(IFRS)は、売上高が4,451億4,800万円で同5.2%減、事業利益が113億2,100万円で同20.7%増、純利益が8億8,100万円(前期は50億2,200万円の損失)となった。
米中貿易摩擦による自動車需要の低迷に加え、建設機械市場を牽引してきた中国やインド需要の減少、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞などで売上高は減少。一方、利益面では原価低減・収益改善策を進めたほか、前期に防振ゴム事業の海外子会社投資に関するのれんの減損を計上したことで最終利益は黒字転換した。
自動車用品は売上高が3,779億700万円で同5.1%減、事業利益が95億4,800万円で同22.8%増。国内は消費税増税の影響もあり自動車販売台数や生産台数が減少したため減収。海外は新型コロナウイルスや為替換算などの影響で、米州、アジア、欧州ともに減収となった。事業利益は、国内での経費圧縮や原価低減に加え、国内から米州への技術支援で生産性が向上したことなどにより、大幅な増益となった。
一般産業用品は売上高が672億4,100万円で同6.0%減、事業利益は17億7,300万円で同10.3%増。国内では橋梁用支承など免震製品の売り上げが増加した一方、プリンター市場縮小の影響でプリンター向け機能部品の売り上げが減少し減収。海外では中国・インドでの建設・土木機械の需要減により高圧ホースの売り上げが落ち込み減収となった。事業利益は需要減少に合わせた経費圧縮を進めたことで売り上げ減をカバー、増益を確保した。
今期は早期の収益力回復に努めるとともに、グループ全体での製品開発を進める。4月には事業分野別に分かれていた開発センターなどを統合し、新たに「新商品開発センター」を設置。これにより、開発アイテムの優先順位を迅速に見極め、開発スピードアップと早期事業化を図る。
なお、今期業績予想については、新型コロナウイルス感染拡大による影響を合理的に算定することが困難なことから、未定としている。
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