【特集】ゴム・樹脂ホース
東拓工業、新製品2点上市し新規需要開拓めざす
工業用品 2019-09-26
東拓工業の19年3月期売上高は前期比5%増。工業用ホース、電設資材、土木資材とも堅調に推移した。一方、利益については、原材料や梱包資材、物流費、人件費などのコスト増により減益となった。
工業用ホース部門の売上高は同5%増。半導体関連や土木、食品など全般的に好調だった。しかし半導体関連にいては「昨年末から需要が急減し、上期の貯金で通期ではプラスとなったが、今期は厳しくなる」(豊田耕三社長)との見通しだ。製品面では、脱塩ビ仕様のエコ関連製品が食品用途等で販売が好調だった。
電設資材部門も好調で2ケタ増収となった。太陽光発電や風力発電などの再生エネルギー関連や、道路、トンネル、空港などのインフラ関連が好調だった。また無電柱化工事需要も「まだ売上規模は小さいが拡大基調にある」(同)という。
土木資材部門は、下期は減速したものの上期が好調だったことで、通期では2ケタ近い増収となった。ゴルフ場跡地を利用したメガソーラー設備の造成工事や、昨夏の西日本豪雨被害の緊急対応もあり販売が拡大した。
今期売上高は前期比増収の計画だが、「昨年の計画策定時に比べ市場は悪化しているため、今期は厳しくなる」(同)と予想している。土木資材は「上期は案件が少なく低調だが、下期にどこまでカバーできるかが課題」(同)。
工業用ホースは、半導体関連需要の先行きが不透明な中、土木・食品分野に引き続き注力。電設資材は太陽光発電や風力発電、インフラ関連に注力し増収を目指す。
厳しい市場環境の中で、需要の掘り起こしをはかるため新製品の開発・上市に力を入れる。今期中に「TACダクト耐摩耐油」と「TAC柔軟食品ホース」の2点を上市する計画だ。
「TACダクト耐摩耐油」は、耐摩耗性と耐油性を両立し、静電気防止効果にも優れたダクトホース。従来品では対応が難しかった、油分を含んだ粉粒体を輸送することが可能で、金属加工の廃材、油を含む廃材、集塵機、穀物・飼料などの輸送に適している。サイズはΦ38、Φ50、Φ65、Φ75、Φ100と豊富に取り揃えている。
「TAC柔軟食品ホース」は、食品用ホースの中でも、特に優れた柔軟性を持つ製品。軽量かつ外面をなだらかなウェーブ構造とすることで、高い清掃性を保ちながらハンドリングを楽に行うことができる。
食用油などの油脂・脂肪性食品や清酒などのアルコール類、清涼飲料水等の輸送に適し、サイズはΦ38とΦ50。
昨年5月に稼働した関東おやま工場は非常に順調で、需要が旺盛な製品については24時間稼働で生産している。
展示会については、10月中旬にインテックス大阪で開催する「粉体工業展大阪」、来年2月に幕張メッセで開催する「機械技術要素展」に出展する。
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