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【特集】ゴムシート

オーサカゴム、景気低迷も増収

工業用品 2016-11-24

 オーサカゴムは今夏、並板(天然ゴム)の価格改定を実施、厚物11ミリ以上、サイズ等により10-15%の価格アップを行った。

 改定理由は電力などのユーティリティコストの高さや運送コストの大幅な上昇に加え、特に不採算性が課題の厚物ゴムシートにおいて、合理化・効率化による価格維持が難しいことによるもの。交渉を進めた結果、「ユーザーにも事情をご理解頂き、完全実施できた」(オーサカゴム)という状況だ。

 16年上期(4-9月)業績は前年同期比2%の増収となったが、「悪かった前年同期との比較なので決して良かったとは言えず、景気は低迷した状態が続いている」(同)。

 主力のゴム板は大きな動きはないものの比較的底堅く推移。それでも「過去5年間の比較では低調と言わざるをえない」(同)状況だが、前年好調だった玄関マット関連が今年も堅調を維持したこと、昨年は低水準だった消防用吸管などの防災部品が回復したことで増収を確保した。

 下期については「ゴム板事業は下期型であり、実際に9月くらいから動きが出てきている。今後は補正予算による公共投資や東京五輪関連の需要も動きが出てくることを期待し、景気が悪かった前年下期よりも売り上げの増大を図りたい」(同)としている。

 また需要増に対応するため、営業活動の強化も進めている。同社グループのオーサカゴム販売では、東京、大阪の各営業所に一般建築業(とび・土木工事)の有資格者を配置することで、公共工事等で施工から請け負う、踏み込んだ営業活動を行っている。今期は大型のスポーツ施設の工事も請け負うなど、効果が表れているようだ。

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