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【特集】ゴムシート

クレハエラストマー、ゴム板事業の黒字転換目指す

工業用品 2016-11-16

 クレハエラストマーでは、ゴムシート事業部の黒字転換を最優先課題に据えた新中期経営計画を16年度からスタート。それに伴い合成ゴムの厚物を中心としたプレス製品を対象に5―20%の値上げを実施するとともに、不採算品からの撤退も視野に入れた品種統合を進め、利益体質への転換を図っている。

 現在の進捗状況は、価格改定については「6月いっぱいで殆どのユーザーに納得頂いた」(同社)としており、品種統合についても「現在交渉中の品種を含めて、今後の対応策がほぼ見えてきている」(同)として、課題解消に向けた道筋を着実に付けている状態。

 「上期(4-9月)業績は前年同期比減収減益と厳しい状況となったが、これらの施策の効果がわずかながら出始めており、改善の兆しは見えてきている」(同)としている。

 上期の地域別状況については、中部地区は自動車生産減の影響も小さく「同地区のみでは予算を達成するなど需要は堅調だった」(同)。また九州地区を中心に造船向けの好調が持続し、制振材「ヴィブラン」も採用されているという。

 一方で関東、関西地区は土木・建築関連をはじめ全体的に振るわず、市場の大きい両地区の需要が停滞したことで全体の業績は伸び悩んだ。

 下期に向けては「9-10月あたりから需要が盛り返してきた」(同)と景況が好転しつつある関西地区をはじめ、今後五輪需要が見込まれる関東地区を中心に需要を取り込んでいく。主力製品となる3m幅の超広幅ゴムシート「クレハスーパーワイド」や、厚さ0.05-0.20ミリの超薄膜ゴムシート「ぺらぺら君」などを展開してく方針で、“超広幅”は製造設備関連や住宅関連などを中心に、新規分野に向けても積極的に拡販を図る。

 なお、同社の汎用ゴムシートは、他社に先駆けてREACH規制やRoHS指令2.0に対応する環境対応ゴムシート「Eシリーズ」への全面切り替えをほぼ完了している。同社では今後の規制強化の流れの中で、同シリーズが追い風となることを期待している。

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