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【特集】ゴム・樹脂ホース

八興、導電スーパー柔軟フッ素が主体

工業用品 2016-10-19

八興は、今年度も既存顧客へのアプローチに注力するとともに、新規需要開拓の積極推進を主体とした営業戦略を展開している。これにより、売上高は前年度比若干の増加を目指している。

 同社は高度な技術開発力を積極活用し、新製品開発に注力している。今年も、ホースの「電気抵抗値」が国際指針である国際電気標準会議(IEC)の「IEC/TS60079-32-1:2013(爆発性雰囲気-パート32-1:静電気の危険のためのガイドライン)」及び「ISO8031」の両規格に業界で初めて準拠した「導電スーパー柔軟フッ素ホースシリーズ」(特許出願中)を6月に発売、実績を挙げている。

 同製品は様々な可燃性流体用の配管に向け、万全な静電気対策ホースとして開発された。

 静電気対策ホースに関しての国内従来規格では、両端末の継手を含む電気抵抗値の「端末間抵抗」が、ホースの長さ1m当たりの抵抗値のみを測定し、その値が規格に適合していれば良かった。しかし実際に使用する際はは1mでの全長で使用することはなく、静電気対策は万全とは言い難かった。このため13年に「端末間抵抗」に関し、IECやISOなどの国際指針が改定され、ホース両端末の継手を含む実際のホース全長を測定し、抵抗値が規格に適合しなければならなくなった。

 この改定後の規格に、業界初の適合製品となったのが「導電スーパー柔軟フッ素ホースシリーズ」。さらに同製品は、公益社団法人産業安全技術協会実施の「ホース静電気導電性能試験(電気抵抗の測定)」及び「ホース長さ別静電気導電性能試験(電気抵抗の試験)」も受けており、定尺20mの最大使用長でも、全長にわたり電気抵抗値基準をクリアし、安心・安全に使用できる。

 同シリーズの材質及び構造は、内層側から導電性フッ素樹脂(ETFE系)、導電性ポリアミドエラストマー、導電性ポリウレタン及びステンレス繊維またはステンレス鋼線、外層にポリウレタンの4層で構成された、導電性樹脂と特殊金属繊維またはステンレス鋼線のハイブリッドシステム。このため使用長さに関係なく、導電性(消散性)等級を実現させた。なお八興では、規格に準じた社内規定に基づく全数品質検査で万全を期している。

 同シリーズには、内径6、8mmの「導電性スーパー柔軟フッ素チューブ/E-SJD」及び、潰れにくく曲げ保形性に優れバキューム(吸込)にも使用可能な内径12、15、19mmの「導電性スーパー柔軟フッ素スプリング/E-SJSD」の2製品があり、広範囲な分野で静電気対策用に使用できる。

 八興では「導電スーパー柔軟フッ素ホースシリーズ」に加え、従来の「スーパー柔軟フッ素チューブ」よりも柔らかく、しなやかで作業性が向上した「スーパー柔軟フッ素ソフトチューブ(透明)」も開発、同時発売した。

 同製品は、従来のフッ素樹脂(ETFE系)、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンの3層構造に加え、外層に軟質ポリ塩化ビニル採用の4層構造で、柔軟性が大幅に向上した。

 さらに同社では、食品用・産業用ホースとして好評展開中の「KYシリーズ」の拡販を図っている。同社は、「アルコール搬送ホースの業界標準」と銘打ったパンフレットを作成して使用用途をアルコール系に明確化し、化粧品、飲料、野菜洗浄、洗剤・シャンプーの製造工程など、アルコール系製品搬送に最適としてアピールしている。

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