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土木分野などで需要開拓進む

吉野ゴム工業、超広幅ゴムシートの販売好調

工業用品 2018-05-07

超広幅ゴムシート


 吉野ゴム工業が2015年から発売している超広幅のゴムシートの販売が好調だ。同社の台湾協力会社が生産しており、一体成型の原反幅で最大12メートルまで対応できる。コンベヤベルトと同様の構造で設計されていて、表裏のカバーゴムに芯体帆布が入っているため非常に丈夫で耐久性にも優れている。

 厚さは7-20ミリまで対応し、長さは最大50メートルの長尺も可能だ。カバーゴムの材質によって、耐候性や耐摩耗性のほか、耐熱性、耐油性、難燃性を付与することもできる。

 台湾の協力工場から輸入した超広幅の原反シートを、吉野ゴム工業の篠山工場で、用途に合わせてさまざまな形状に加工を施してユーザーに供給する。シートの表層に二次的に加工された継ぎ目がないため、機械的な品質が安定し、耐候性や耐摩耗性に優れ、耐用年数は30年以上という。

 同社では、土木や海洋関連などさまざまな分野で需要開拓を進めており、ダムの選択取水設備や海洋土木工事の保護用ゴムシートなど、各種のインフラ関連設備・工事で採用が拡大している。

 また同社では、超広幅ゴムシートを活用したゴム引布製起伏堰の納入も開始した。ゴム引布製起伏堰は飲料水や農業用水の貯水ダムやため池などに使用されるゴム製の堰(ダム)のこと。従来は堰高や河床幅に合わせてゴムシートを貼り合わせて製造していたが、「当社の超広幅ゴムシートを使用すれば1枚もので製造できる。ゴム堰の画期的な製造手法として、市場関係者から高く評価されている」という。同社では、今後、多くの保守・更新需要が見込める分野として期待している。

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