収益性維持しながら売り上げを確保
【インタビュー】広島化成社長西浩一氏、18年度から新3カ年計画
工業用品 2018-01-29
ゴム・樹脂総合メーカーの広島化成は、シューズ、工業用品、化成品の3事業を柱に展開。18年度からスタートする3カ年計画では、20年度に売上高160億円を計画。「ここ数年は売り上げが落ちても利益は確保できる体質になってきたので、次の計画では利益を維持しながら売り上げも拡大していく」と、西浩一社長は次のように話す。
■17年12月期業績
17年12月期の売上高は144億円で前期比96%と、減少の見込みだ。部門別では、シューズが同94%、工業用品が同103%、化成品が同96%となりそうだ。
シューズは消費低迷、買い控えの市況を実感した期であり、売り上げの維持、確保に苦労した。また為替の影響などもあって2年前に値上げを実施したが、当社の下をくぐる価格帯の商品が出てきて、販売は苦戦した。カテゴリー的には、カジュアルランニングは好調に推移したが、定番商品のウォーキング系コンフォートウォーカー、防水スニーカーは減少、季節商品のサンダル系も販売が伸び悩んだ。
工業用品は、ウェザーストリップをはじめとする自動車部品や、品揃えを強化した住宅用遮音材が堅調に推移した。化成品は主力となる建材関係製品において、タイル用シートがホテル・店舗・オフィス関連を中心としたリニューアル需要に底堅いものがあり、微増となったが、建築着工件数の弱含み状況から屋上防水関連、長尺床材は減少傾向を示した。
■18年12月期業績見通し
今期(18年12月期)も引き続き消費低迷が継続し、厳しい環境が想定されるが、売上高は154億円(シューズ106%、工業用品111%、化成品104%)を計画している。とくにシューズでは、既存の主力取引先の注力と、一部進めているネット販売への拡大、また海外販売の拡大を社内環境の整備を進めながら行い、売り上げ拡大をはかっていく予定だ。
設備投資は、17年度は約5億円の実績となった。18年度は設備更新関係を含め7億円程度を計画している。
■新3カ年計画
当社は3カ年計画を策定し、毎年見直しをはかっているが、18年度からスタートする新3カ年計画では、最終年度の20年度に売上高160億円を計画している。
ここ2、3年は量より質、収益性を求めてきたので、売り上げは落ちても収益性はかなり良くなった。しかし、18年度から始まる3カ年計画では、収益性を維持しながら売り上げも確保していきたいと考えている。そのためには、とくに工業用品、化成品では工場ロスをなくし、プレスやカレンダーロールの工程の稼働率を上げていく。
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