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工程の見直し、工夫で生産性向上はかる

【インタビュー】弘進ゴム社長西井英正氏、工業用品の好調さ続く

工業用品 2018-01-29


 建機や自動車向けに工業用品が好調な弘進ゴム。供給力一杯の状況が続いている。西井英正社長は「生産工程の見直し、工夫などで生産性を上げ、工数削減にも積極的に取り組んでいく」と話す。

 ■2017年を振り返って
 17年5月期の売上高は125億6,700万円で前期比1.4%減、利益はコスト削減を推し進めた結果、微増だった。

 部門別売上高では、SW(シューズ・ウェア)部門は72億5,200万円で同5.8%減。震災復興需要の減少に加え、量販店・ホームセンター等のPB品の台頭など取り巻く環境は厳しかった。そうした中、品質や納期が安定している国産品のINJブーツや防水防寒ウェアなどの新商品は、好評を得た。

 化工品部門は、53億1,500万円で同5.5%増。そのうち工業用品は37億9,200万円で同4.8%増、産業資材が15億2,300万円で同7.4%増だった。工業用品は特に建機、自動車産業向けが好調で、また太物のサクションホースなど樹脂ホース関係も堅調に推移した。

 2017年5月期は減収増益だったが、2018年度への足掛かりが見えた年でもあった。

 ■2018年5月期業績見通し
 上期(2017年6-11月)の売上高は63億7,100万円で前年同期比2.4%増だったが、利益は下回っている。部門別売上高ではSW部門は36億7,200万円で同3.1%増、化工品部門は26億9,900万円で同1.4%増と堅調に推移した。化工品部門の内訳は工業用品が20億6,200万円で同10.5%増、産業資材が6億3,700万円で同19.9%減だった。工業用品は建機、自動車産業向けに引き続き好調で、供給力一杯の状況だ。一方の産業資材は、今年の春まで除染用にフレキシブルコンテナ向けの需要があったが、今期からそれがなくなったことなどが影響している。

 下期についても引き続き好調な流れになると予想しているが、通期業績は慎重にみており、売上高は126億円で前期比0.3%増と見込んでいる。利益は、原油価格上昇や円安を受けて前期に比べ原材料価格が上昇していることの影響などにより、大幅な増益は見込めないと考えている。

 ■ECサイトについて
 当社ではSW部門の製品について、HPからアクセスできるオンラインショッピングを以前から展開している。オンラインショッピングは魅力的なものではあるが、まだまだ販売の主力には育っていない。今後どのような展開が可能で、また従来の顧客との共存が可能かをきちんと踏まえた上で、時代に合った形で再展開を考える時期だと思っている。ただ、化工品部門の製品を中心とした生産材については、ユーザーの顔が見えないと安全性の面で難しさがある。どういう使い方がされるか分からない以上、生産材をECサイトで展開することは考えていない。

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