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【新年トップインタビュー】

早川ゴム社長早川雅則氏、「改修・環境・海外をキーワードに新製品を開発する」

工業用品 2018-01-17


 ■18年12月期業績予想
 18年度は売上高100億円、経常利益5億円の増収増益予算を組んでいる。予算達成に向けて、原価低減や省エネによる総コスト削減を徹底すると同時に、改修・環境・海外の3Kをキーワードに、新製品開発や市場開拓、既存製品のシェア拡大に取り組んでいく。

 特に改修に注力する方針で、たとえば建設資材部門では、改修市場向けの新製品・新工法の開発に取り組む。新工法では、下水道改修工事「リメイクリング工法」に期待している。こうした下水道改修に加え、工業用水、農業用水など水回りの改修に力を入れていく。

 海外については、タイを中心にベトナム、インドネシアなどで、河口堰などのインフラや工場屋根防水など建設資材の販売を拡大したい。

 環境に関しては、当社はもともと再生ゴムをやっていたので、関わりの深い企業といえる。環境関連製品も充実しており、単月売上高で見ると環境製品の比率が35%を占めた月もある。

 ■箕島第2成型工場竣工
 17年11月に、箕島工場敷地内に第2成型工場の建屋が完成した。生産体制強化と集約のため簑島工場内の設備を再配置し、松浜工場(福山市松浜町)の一部生産機能を移管し、生産効率を高める。この工場を将来の新製品開発の受け皿にしたいと考えている。18年4月に稼働する予定だ。

 新工場の稼働に合わせ、19年1月から新基幹システムへの移行を計画している。業務オペレーションとシステムの標準化により、現場の業務負担を軽減する。受注、生産、出荷、調達、在庫管理の業務効率化と“見える化”や信頼性の高いトレーサビリティ管理を実現する。

 ■経営課題・事業方針
 当社は19年3月に創業100周年を迎える。鼻緒を一体成型したゴム履物事業からスタートし現在に至っている。これが当社の原点であり、その当時のベンチャー精神を忘れずにいたい。100周年にあたり「温故挑戦」という言葉を旗印に決めたが、これは過去に学び、未来に挑戦するという意味だ。100周年は大きな節目だが、ゴールではなく通過点と思っている。次ぎを睨んだ取り組みこそが重要だ。

 目指す会社のイメージは、いろいろな形や色があって、不揃いだが、覗いてみると均整が取れている「万華鏡のような会社」。数値目標としては、売上高経常利益率5%以上、売上高に占める新製品比率30%以上、改善提案件数全社年間3,000件以上を目指している。

 小粒でもぴりりと辛く、きらきら、いきいき、わくわくするような会社でありたい。

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