【新年トップインタビュー】
住友理工社長松井徹氏、「自動車事業戦略会議で打つべき手を検討」
工業用品 2018-01-09
■一般産業用品
建機用の高圧ホースはフル生産の状況で、供給方法について検討している。国内と中国の需要が予想よりも旺盛だ。またインド等新興国の需要も上がっている。建機用高圧ホースの生産拠点は国内、中国、インドに有している。中国は一帯一路の政策もあり、インフラ投資がまだ続くだろう。日本も人手不足の関係から工事が遅れているものもあると聞き、オリンピックの先まで需要があると言われている。ただ、建機需要は過去に浮き沈みが激しかった。増産などの投資は慎重に考えている。
一般産業用品は、新製品をしっかりと立ち上げ、業績に貢献できる形にしていくことが重要だ。
感光性水現像フレキソ版はイタリア・トリノに生産拠点を設け、子会社のスミリコウ・イタリアが生産する。今年春に生産ラインを立ち上げ、秋から本格稼働に入る計画だ。印刷はアジア、中国、欧州、北米が大きな市場だ。欧州にまず海外拠点を設け、軌道に乗れば北米にも展開し、世界三極体制を構築する考えだ。感光性水現像フレキソ版は使い勝手をより良くし、市場をつかんでいきたい。
また鉄道車両用防振ゴムは、米国の自動車部品生産拠点を活用し、今秋をめどに生産を開始する計画だ。2013年に買収した旧アンヴィスグループのフランス拠点でも生産しており、既存の日本、中国の拠点と合わせ、世界四極体制を構築し、海外の車両メーカーへの採用を拡大していきたい。
そのほか、健康介護分野では中国で市場開拓を、制震ダンパーは国内で拡販をそれぞれ強力に推し進めていく。
自動車用品の売り上げを伸ばしながら、一般産業用品の売上高比率を2割に上げていく考えだ。
■人手不足
当社も人手不足の状況で、募集をかけても採用はなかなか大変だ。対策として、期間従業員の賃金を上げたり、社員率を上げている。
またダイバーシティの観点から働きやすい職場に向けた改善や働き方改革で残業を減らすなどの対策も実施している。
■2018年の見通し
見通しはファジーだ。トレンドの変化もあるため、中計の数値など今後について、もう一度見直していく。
需要は地政学的リスクがあるものの、基本的に持続すると考えている。中国も現状くらいで推移するだろうし、南米はさらに良くなってくると思う。
課題としては、体制の強化を進めることだ。経営管理の体制、最適調達、最適生産の体制について、外枠はできたものの、中身がまだまだと感じている。
またEV化に向けた取り組みについても、固めていかなければならないだろう。
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