【特集】ゴム・樹脂ホース
東拓工業、工業用ホース10%増収の見込み
工業用品 2017-11-21
東拓工業の上期(4-9月)業績は、ほぼ計画通り推移し堅調だった。売上高は前年同期比7-8%増収の見込み。工業用ホース部門の売上高は、前年同期比9-10%増の見通し。各需要分野とも概ね好調だったが、特に半導体関連が大きく伸びた。半導体ではクリーンルーム用のダクトホースが伸びている。食品関連も好調に推移し、一般汎用のサクションホースやダクトホースも堅調で業績を下支えしている。製品面では「TACエコシリーズ」が好調。「TACフルオロフレキ」も着実に浸透し始めているという。
電設資材部門は、期初はやや低調だったが徐々に盛り返し、上期全体では同7-8%増とほぼ計画通りに推移した。太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギー向けが引き続き好調だった。また、無電柱化推進法が施行されたことを念頭に、国交省や電力会社などへのピーアール活動に積極的に取り組んでいる。
土木資材部門も好調。トンネルや橋梁などインフラ関連で販売が伸びている。
「簡易排水装置などの橋梁関連資材は、今後インフラ補修市場での販売拡大が期待できる。ユーザーの要望に対応し、現在、製品アイテムの拡充に取り組んでおり、需要の掘り起こしをはかっていく」(豊田耕三社長)
下期業績については、上期同様順調に推移すると見ている。部門別に見ると、工業用ホースは堅調。電設・土木も堅調に推移すると予想。ただし「物件ものなので、人手不足で工期遅れが生じたりすると、当社の販売にも影響してくるだろう」(同)と、楽観はせずに営業展開に力を入れていく。
「下期も計画通りに推移すれば、17年度業績は3年連続で過去最高を更新する見通し」(同)という。
新規需要の開拓をはかるため、同社では積極的に各種展示会に出展している。今年は7月に「無電柱化推進展」、10月に「粉体工業展 大阪」に出展し、認知度アップや新規ユーザー獲得に力を入れた。また11月には「橋梁・トンネル技術展」(幕張メッセ)、「ハイウェイテクノフェア」(東京ビッグサイト)に出展する予定で、インフラ補修市場の開拓に努める。
栃木県の小山第四工業団地に建設する「関東おやま工場」は、今年4月に地鎮祭を行い、予定通り順調に建設作業を進めている。18年1月末には建屋が完成し、4-5月に稼働を開始する予定。「関東おやま工場の稼働により、東京を中心としたインフラ関連需要や、東北地域の復興需要を積極的に取り込んでいきたい」(同)としている。
注力製品は、「TAC柔軟食品ホース」、「TACフルオロフレキ」。
「TAC柔軟食品ホース」は、食品ホースの中でも極めて柔軟なホース。作業性に優れるほか、透明性にも優れるため搬送物の視認性も高い。内外面はフラット構造となっており、清掃も容易。「TACフルオロフレキ」は、ケミカル業界向けに開発したフッ素ホース。化学品、薬品、溶剤の輸送に適している。フッ素ホースは一般の樹脂ホースに比べ硬いのが課題だったが、同製品は非常に柔軟なため扱いやすいのが特徴となっている。
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