【特集】合成ゴム
東ソー、金型非汚染性、耐熱性向上など特徴あるグレードに注力
原材料 2017-07-12
東ソーの16年度CR事業は、国内は年度後半に自動車関係の需要が伸び需要堅調、一方の輸出は上期は厳しい状況だったものの、接着剤用途、工業用品用途ともに下期に需要が回復した。工業用品用途は鉱山、建機需要の回復が寄与した。
17年度は、16年度後半から続くCR需給のタイトな状況が継続するとみている。「どの地域というわけでなく、世界中からの引き合いが旺盛で、それら輸出向けの全ての引き合いには応じきれていない。国内のユーザーや海外でも日系のユーザーを優先して出荷している状況」(東ソー)という。そのため同社では、増強も視野に入れた検討を進めている。「まだ具体的な絵を描いているわけではない。増強となれば、莫大な投資金額が必要になるため、そこをクリアできるかだろう。一方で、より特殊化に特化した差別化グレードの強化、推進という選択肢もある」(同)。
グレードでは金型非汚染性グレードや従来の硫黄変性グレードに比べ、耐熱性を向上した特徴あるグレード、伸びている水系ラテックスグレードなどに注力する。水系ラテックスは、同社が得意としている接着剤向けに加え、医療用手袋用途にも期待する。「接着剤としては、ウレタンフォーム同士の接着剤としての需要が伸びている。作業性もよく、溶剤系を除くとウレタンフォーム同士の接着はCRラテックスが広く普及している。ウレタンフォーム向けの接着剤用途は、欧州から始まり、アジアにも拡がってきた。今後も需要が期待できる。
医療用手袋用途は、天然ゴムのたんぱく質によるアレルギー問題で需要が拡大している。今後も従来使用されていた天然ゴムラテックスからの置き換えが進む。CRラテックスを使用した医療用手袋は柔らかさが特徴。今後も伸びていくし、注力していく」(同)。
クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)の需要は安定している。自動車だけでなく、建機、ハンドレール、ロールなど用途が幅広く、需要は堅調だ。今後も安定した需要が見込まれている。
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