社会が求める安全と環境を高い次元で両立
【2026年 年頭のあいさつ】日本自動車タイヤ協会 山本 悟会長
タイヤ 2026-01-06
2025年の世界経済を振り返えると、インフレの高止まりの影響を受けながらも、全体としては緩やかな成長を続けた一年だった。他方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の緊張といった地政学リスクが懸念される状況が続いた。また、米国の関税政策をはじめとする通商環境の変化も、サプライチェーン全体の強靱化の重要性を浮き彫りにした。こうした先行きの見通しが立てにくい状況下においても、私どもタイヤ産業は、グローバルな経済活動の足元を支えるべく、タイヤの安定供給に努め、その社会的責務を果たしてきた。

我が国経済に目を転じると、物価高や人手不足、人口減少といった制約を抱えながらも、企業収益や設備投資は底堅く推移し、賃上げの動きも着実に広がりつつある。省人化や生産性向上を目的としたデジタル投資や脱炭素に向けたGX投資も続いており、将来を見据えた取り組みが着実に進んでいる。人と物の移動をめぐるニーズも多様化しており、物流の効率化や観光需要への対応など、日々の営みを支えるモビリティ関連産業への期待はこれまで以上に高まっているのではないだろうか。
こうした中、自動車分野は、EVをはじめとする電動化や自動運転といったデジタル技術の進展、カーボンニュートラルへの対応など、大きな転換期を迎えている。自動車はモビリティの主役であり、タイヤはその性能を具現化する最重要部品の一つだ。自動車がいかなる変革や進化を遂げようとも、路面と接して安全を支えるタイヤの役割が根幹において変わることはない。むしろ、タイヤに求められる機能や性能は一層高度化しており、その重要性は高まっていくと考えている。
同時に、私どもの活動において追求すべき目標が「安全」と「環境」であることも不変だ。自動車を取り巻く環境が大きく変化する中で、より高度な安全をいかに実現していくのかは、今後も変わらず重要な課題となっている。また、社会は人々の営みのあらゆる側面においてサステナビリティを求めており、ライフサイクル全体にわたる環境負荷低減も、当産業に共通する重要なテーマとなっている。社会が求める安全と環境を高い次元で両立させて実現することこそ、私どもが世に提供し続けるべき普遍的な価値であると確信している。
当会は、こうした価値の提供を通じて、グローバルなモビリティの発展と持続可能な社会の実現に貢献していきたいと願っている。2026年においても、直面する多くの課題の解決に向けて一歩一歩着実に取り組みを進めていく。
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