【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、低在庫で当限主導の上昇
連載 2023-11-20
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=270円台前半まで値上がりし、10月19日以来の高値を更新した。250円台をコアとした保ち合い相場を上放れし、10月19日の年初来高値276.90円に迫る展開になっている。改めて当限(11月限)が急伸し、つれて期先限月に対しても買いが膨らむ展開になった。

当限は、10日の280.00円に対して、一時300.00円まで急伸する展開になった。10月限は10月25日の受渡日に向けて378.40円まで急伸していたが、11月限も11月24日の受け渡しが近づく中、徐々に上昇ペースを加速させている。産地相場は動意を欠いているが、国内低在庫環境が当限の急伸地合を促している。
JPX発表の生ゴム指定倉庫在庫は、7月末1万996トン、8月末9,213トン、9月末6,528トン、10月末3,948トンと急ピッチな減少傾向が続いている。10月限の価格が高騰したものの、出庫量に対して入庫量が大幅に不足した状態は解消できていない。2022年9月以来の低在庫環境が当限を押し上げているため、その流れが11月限受け渡し日まで続く可能性が警戒された。
一方、上海ゴム先物相場は、1トン=1万4,000元台中盤までじり高の展開になった。中国経済の減速懸念が後退していることもあり、安値修正の動きが促されている。11月15日に中国の10月経済指標が発表されたが、固定資産投資は前年同月比2.9%増(前月は3.1%増)であり、不動産市場は依然として厳しい環境にあることが窺える状況にある。しかし、鉱工業生産は同4.6%増(同4.5%増)、小売売上高は同7.6%増(同5.5%増)と強めの数値になったこともあり、産業用素材市況全体が若干の底固さをみせている。昨年のゼロコロナ政策の反動もあるため、見掛けの数値ほどに中国経済環境が好転しているわけではないが、少なくとも改めて中国経済の減速懸念を織り込んでいく必要性が薄れていることが、上海ゴム相場を下支えした。
タイ中央ゴム市場(ソンクラ)のRSS現物相場は、11月16日時点で前週比2.8%高の1キロ=55.88バーツ。産地天候リスクの織り込み一服で一時54.05バーツまで値下がりしていたが、消費地相場の値上がり傾向を受け、産地相場も上振れし始めている。ただし、東南アジア全域での豪雨に関しては、季節トレンドに沿う形で一服しつつある。天候リスクの織り込みで、産地主導で値上がりしているわけではないだろう。
原油や円相場は不安定な値動きを繰り返しており、円建てゴム相場に対する影響は限定された。日経平均株価が今年最高値圏に迫る値動きになっていることはポジティブ。
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