【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、上海ゴム連動で上値重い
連載 2023-05-29
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=200円台後半まで小幅下落する展開になった。210円台前半で抵抗を受け、調整売り優勢の展開になった。為替は円安に振れたが、上海ゴム相場の軟化を受け、改めて上値を圧迫されている。4月14日以来の安値を更新したが、3月下旬から続くボックス圏内での値動きに留まっている。

上海ゴム先物相場は、1トン=1万1,000元台後半まで下落した。1万2,000元台前半で揉み合う展開が続いていたが、5月25日以来の安値を更新している。
中国のゴム需要の弱さが指摘されており、改めて上値の重さを確認している。産地では減産期から生産期への移行時期を迎えていることもあり、短期需給の緩和圧力が警戒されている。
また、中国経済の先行き不透明感も警戒されている。景気回復ペースの鈍さに加えて、主要7カ国(G7)広島サミットで改めて西側諸国との関係悪化がクローズアップされたことで、地政学リスクの高まりも上海ゴム相場の上値圧迫要因になった。特に中国株式市場で米中の通商紛争に対する警戒感を織り込む動きが優勢になり、その流れで上海ゴム相場も上値を圧迫された。
中国通貨人民元は対ドルで約5カ月ぶりの安値を更新しており、為替要因では人民元建ての上海ゴム相場は上昇しやすい環境にあったが、それ以上に需要サイドの懸念が強かった。
原油相場は安値修正の動きを本格化させているが、非鉄金属相場は上値の重さが目立つなど、コモディティ市場では強弱評価が割れている。上海ゴム相場は週を通じて上値の重さの方が目立った。
産地相場は目立った値動きを見せていない。タイ中央ゴム市場のRSS現物相場は、5月25日時点で前週比0.3%安の1キロ=50.02バーツとほぼ横ばいだった。減産期から生産期への移行を迎えていることはネガティブ。4月までと比較すると、明らかに集荷量が回復傾向を強めている。
一方、今季は異常気象「エルニーニョ現象」の発生リスクが高く、東南アジア全域で高温や乾燥のリスクが警戒されていることはポジティブ。タイ気象庁も乾燥気味の天候に対する注意喚起を行っている。ただ、積極的に天候リスクを織り込んでいくような動きは見られず、産地相場は目立った動きを見せなかった。引き続き、供給サイドより需要サイドの動向に対する関心が高い地合になっている。
為替相場は1ドル=140円の節目に迫る円安・ドル高になったが、円安を受けての買いよりも上海ゴム安を受けての売りの方が優勢だった。上海ゴム相場の動向が注目されている。
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