2023年度に過去最高売上収益へ
横浜ゴム、新中計「YX2023」発表
タイヤ 2021-02-22
横浜ゴムは2021年度から2023年度の3カ年を対象にした中期経営計画「YOKOHAMA Transformation 2023」(YX2023)を発表した。2023年度に過去最高の売上収益7,000億円、事業利益700億円を、また、事業利益率10%、D/Eレシオ0.4倍、ROE(自己資本比率)10%、ROIC(投下資本利益率)7%を目指す。戦略投資として3カ年で1,000億円、増産投資にはそのうちの6割を投入する。
「YX2023は『深化×探索による変革』をテーマに、当社の強みである既存事業の深化と市場変化への取り組み、つまり探索を同時に推進することで変革を目指す」(山石昌孝社長)
タイヤ市場は乗用車用タイヤなどの消費財とトラック・バス用、農業機械用タイヤなどの生産財に分かれており、市場規模は半々となっている。今後、CASEやMaaS、DXが浸透するにつれ、個人所有のクルマが減少し、ヒトやモノの移動を支えるインフラ車両の増加が予想される。ユーザーが個人から法人へと変化することでタイヤ市場における消費財タイヤの「生産財化」が進むと当社では予想する。こうした市場変化に対して、深化と探索の2つアプローチで戦略を進めていく。
消費財タイヤについてはUHPや大口径タイヤ、SUV・ピックアップトラック用タイヤ、ウィンタータイヤなどの高付加価値商品比率を2019年の40%から50%超に引き上げる。
生産財タイヤについては、コスト、サービス、DX、商品ラインアップの拡充をテーマに進めていく。
生産財タイヤの成長ドライバーであるOHT(オフハイウェイタイヤ)事業では横浜ゴム、ATG、愛知タイヤ工業の事業統合によるマルチブランド戦略を実施。増産投資も積極的に実施し、2025年度に売上収益1,400億円、全社利益の3割をOHT事業が稼ぐ体制を目指す。
TBR事業では米国TBR工場の供給改善、増産投資による売り上げ拡大で2025年度に売上収益1,000億円を目指す。
MB事業では強みであるホース配管事業および工業資材事業にリソースを集中することで安定した収益を確保する。特にホース配管事業は一番大きく伸ばす。また、ハマタイト事業では得意分野に集中することで事業体質の改善を図る。航空部品事業は構造改革を断行し、時代に合った事業展開を目指す。
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