世界初、硫黄架橋の粗密をナノレベルで観測
住友ゴム工業、量子線顕微鏡による観測手法を確立
タイヤ 2020-01-27
住友ゴム工業は1月23日、タイヤ用ゴムに含まれる様々な材料を選択的に観測できる手法を確立したと発表した。茨城大学との共同研究により、同大学が新たに開発した中性子を使った量子線顕微鏡を用いた。すでに製品化されているタイヤを含め、タイヤそのものの構造を評価することが可能となり、同手法によって得られた画像データを活用することで、燃費性能や耐摩耗性能などに優れたタイヤの内部構造を導き出せる。今後、材料開発の加速化が期待される。
タイヤ用ゴムは、天然ゴムや合成ゴムなどのポリマー、カーボンブラックやシリカなどの補強材など数十種類の材料からできており、それぞれの材料がタイヤ内部で階層構造を作っている。このため、タイヤ性能の向上にはタイヤ用ゴム内部の各材料をそれぞれ分けて観察し、その階層構造を明らかにすることが必要となる。特にゴム弾性を生み出す硫黄架橋の構造は、ゴムの強度や劣化などの経年変化に大きく関係すると考えられている。しかし、ゴム内部での詳細な構造についてはこれまで未解明だった。
今回の手法を用いると、タイヤ用ゴム内部の材料を選択的に観測できる。その結果の一つとして硫黄架橋の粗密を選択的に観測することが可能となった。これまでの通常の観察では硫黄以外の補強材の情報が混じった画像データしか入手できなかったが、同手法を用いることで、硫黄架橋やそのほかの補強材といった特定の成分がそれぞれ色付けされた鮮明な画像で得ることができる。ゴム内部の硫黄架橋の粗密をナノレベルで選択的に観測したのは世界初。
-
より安全・快適な性能およびメ...
住友ゴム工業、東レと車いす用可搬形スロープの次世代モデル開発
工業用品 2024-04-24
-
天然ゴム業界の持続可能性向上...
住友ゴム工業、「PROJECT TREE」に参加
タイヤ 2024-04-24
-
【特集】夏タイヤ
住友ゴム工業、需要増加傾向のSUV向けのタイヤ拡販へ
タイヤ 2024-04-23
-
5月9~11日、パシフィコ横浜で
住友ゴム工業、「ジャパントラックショー」にDUNLOPブース
タイヤ 2024-04-18
-
特集「防災に貢献するゴム企業」
住友ゴム工業、住宅用制振ダンパー「MIRAIE」
ラバーインダストリー 2024-04-17
-
2025年からDUNLOP直営店にて実...
住友ゴム工業、タイヤの摩耗を三次元で見える化する検知システム
タイヤ 2024-04-10
-
【人事】
住友ゴム工業(5月1日)
人事 2024-04-09
-
次世代電池の実用化に向け
住友ゴム工業、「硫黄系電池事業創出研究会」を設立
タイヤ 2024-04-02
-
「タイヤ製造における水素エネル...
住友ゴム工業、「Environmental Achievem
タイヤ 2024-03-26