天然ゴム構造や破壊メカニズムなど
住友ゴム工業がIRCで研究成果発表
タイヤ 2016-11-07

解説してくれた山口氏(左)と及川氏
住友ゴム工業は九州・小倉で開催されたIRC2016北九州「国際ゴム技術会議」(北九州国際会議場、10月24-28日)で、タイヤの素材開発及び製造に関わる3つの研究成果を発表した。
1つ目は「パラゴムノキにおける天然ゴム生合成機構に関する研究成果」で、東北大学との共同研究によるもの。今まで解明されていなかったパラゴムノキでの天然ゴムの生合成機構を解明するため、試験管内で直接天然ゴムの生合成が可能かどうかの取り組みを進め、ゴム粒子を用いたタンパク質機能評価法の開発に成功。合成には3つのタンパク質が重要であることを明らかにした。この発見で、さらなるゴム合成機構の解明と天然ゴムの安定供給に関わる技術開発の進展が期待される。
2つ目は「天然ゴムの末端基構造を解析する研究成果」。大阪大学の高性能なNMR装置等を用いることにより、今まで解明されていなかったパラゴムノキより採取された天然ゴムの末端基(ω末端、α末端)構造について解明。それにより、分岐構造の解明が可能となり、タイヤの低燃費性能、耐摩耗性能の向上につながる天然ゴム自体の性能向上や加工性改善につなげていくことが可能となる。
3つ目は「大規模分子動力学シミュレーションを用いたゴムの破壊メカニズムの解析」で、スーパーコンピューター「京」を用いた大規模粗視化分子動力学シミュレーションにより、これまで明らかになっていなかったナノメートルからサブマイクロメートルスケールのゴムの破壊過程を理解するもの。
その結果、破壊起点(空孔)の成長過程は2種類存在することが判明。大型実験施設と連携し、ゴムのシュミュレーションモデルを高精度化、様々な材料パラメータ効果を検証することでタイヤ用ゴムの高強度化の実現が可能となる。
1と2の研究成果は国際会議で、3の研究成果は招待講演として併設のゴムエラストマー技術展で発表された。また展示会場の住友ゴム工業ブースでもパネル展示され、研究に携わった技術者・同社材料開発本部材料企画部山口晴彦博士(工学)と研究開発本部研究第一部及川雅隆博士(理学)による解説も行われた。
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