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熱可塑性エラストマー事業の強化図る

三井化学、旭化成のTPS事業を買収

原材料 2017-11-14

 三井化学は11月13日、旭化成のスチレン系架橋型熱可塑性エラストマー(TPS、製品名:サンヴィーオ)事業を買収すると発表した。買収額は非公表。12月1日をめどに買収する。買収により、自動車部品や生活用品など様々な分野での幅広いニーズに対応する。

 熱可塑性エラストマーは自動車用途を中心に、塩ビ・加硫ゴム代替材料として、グローバルに需要が伸長している。三井化学は熱可塑性エラストマーとして、オレフィン系の「ミラストマー」を展開。自動車向けでは架橋型(TPV)で内装表皮、ウェザーストリップ、ステアリングブーツ等、非架橋型(TPO)ではエアバッグ・カバー等の各用途で事業を拡大してきた。

 サンヴィーオはドアグリップなど各種グリップやカップホルダー等、需要の大部分を自動車用途が占める。TPSは流動性、成形性に優れ射出成形で自動車部品を生産できることから、シート成形が主のミラストマーを補完するものとしてラインアップを拡充する。また、TPSの配合など付随技術をミラストマーの差別化に応用していく。サンヴィーオは現在、日本、中国の外部委託先で生産をしているが、その委託先を三井化学が引き継ぐ。

 三井化学では、今回の買収を機にミラストマー事業の一層の強化と事業拡大を進めていく方針。

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