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日本の道路補修技術を視察

東京ベルト、ベトナム政府職員を招聘

商社 2023-07-17

 東京ベルト(本社・東京都台東区、前田淳社長)は7月10日から14日までの5日間の日程でベトナムの交通運輸省道路管理局職員3人を招聘した。

DRVNのグェン・マイン・タン副局長(左から3人目)ら一行と前田社長(同4人目)


 今回の招聘は、「ベトナムで道路維持管理を担当する政府職員に、高品質な弾性加熱合材を使用した高耐久性な路面補修工法のメリットや道路維持管理において先進国である日本の取り組み、技術力を深く理解してもらうことが目的」(同社)としている。

 ベトナムでは重交通、高温、降雨等による道路・橋梁の早期劣化、一時しのぎの補修の繰り返しによるコスト効率が悪い修繕と道路維持管理などが課題となっており、その解決が強く望まれている。

 東京ベルトは、国際協力機構(JICA)の2021年度「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に2021年10月15日に採択されている。2022年7月20日から2023年11月30日までの履行期間中、ヒートロック工業が開発した耐久性の高い弾性加熱合材「ファルコン」を活用した路面補修工法の最適化技術と施工指導ノウハウで、ベトナムの道路や橋梁路面の早期劣化の問題解消を目指していく。

 今回、招聘されたのはベトナムの国道を管理する道路局DRVNのグェン・マイン・タン副局長、ティエゥ・ズック・ロン科学技術・環境・国際協力部副部長、グェン・ズック・トゥオンインフラ維持管理部副部長の一行。またハノイ交通運輸大学のファム・ホアン・キエン准教授が随行し、7月10日は首都高の道路事情を視察してから、東京ベルト本社で「ファルコン」を活用した路面補修工法による施工事例が紹介された。11日は新潟県新潟市のヒートロック工業本社と工場の視察、13日には茨城県庁などを訪問し、土木部道路維持課から日本の道路維持管理方法を紹介、ディスカッションも行われた。

 DRVNのタン副局長は「今回JICAと東京ベルトによって視察ツアーが実現でき感謝している。DRVNはベトナム国内の2万500キロの国道とそのうちの2,000キロの高速道路、7,700の橋梁を管理している。これらの補修予算は年間およそ500億ドルを計上しているが、コスト面で有効かつ効率化を図るのが課題となっている。日本の道路や橋梁の補修技術をベトナムに導入・普及することで高速道路の維持貢献に繋がることを期待している」と語った。

 東京ベルトの前田社長は「道路の補修は現場によってそれぞれ状態が異なる。補修材や施工方法は状態に合わせて正しく行う必要があり、仕上がり具合も見届けないと耐久性に問題が出てくる。高い耐久性を発揮することで、ベトナムの道路補修のコスト削減に貢献したい。当社は施工業者に資材提供をするだけでなく、正しい施工指導を行っていくのが主な役割となる。ベトナムでビジネスのプラットフォームを構築し、現地拠点の設立も視野に入れていきたい」と方針を語った。

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