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急成長するネット販売

モノタロウ、増収増益(16年12月期)の見通し

商社 2017-01-05

 最近、ゴム製品の販売チャネルの一つとして、ネット通販の存在感が高まっている。販売量が飛躍的に伸びており、ゴム製品関連業界でも注目されている。特に工業間接資材通信販売の「MonotaRO(モノタロウ)」(本社・兵庫県尼崎市)は、ここ数年で急成長を遂げており、ゴム製品の販売額も大きい。

 モノタロウは、インターネットやカタログを活用して、工場や工事現場で使用する資材や自動車の補修部品等を通信販売している。16年11月現在で、取り扱いアイテム数は約1,000万、登録ユーザー数は約210万件に達している。

 モノタロウで扱っているゴム関連製品は、タイヤ、ワイパー、防振ゴム、伝動ベルト、自動車用ホース、高圧ホース、ゴムシート、キャスター、手袋、安全スニーカーなど幅広い。扱い品種・点数とも増え続け、販売額も伸びているという。

 同社の16年12月期連結業績は増収増益の見通し。売上高は693億円で前期比20.4%増、営業利益が93億円で同32.3%増、経常利益が93億円で同31.8%増、当期純利益が61億円で同38.9%増の見込み。同社によると売上高は当初計画を下回ったというが、それでも2割増という大幅な伸びを示している。

 今期、売上高が伸びた要因のひとつが、商品を希望の寸法にカットして販売するカスタマイズ対応の開始。カスタマイズ対応商品は、ゴム板、ホース・チューブ、テープ、建材、塗料など1,000万アイテム中、まだ数十点と少ないが、今後さらに対象アイテムが拡大する見込みだ。ゴム板では、指定したサイズにカットして販売してくれる。サクションホースやダクトホースも希望サイズにカットしてくれる。塗料では色見本に合わせて調合し希望量を購入できる。ゴム板は、現在は直線カットのみだが、今後はアール形状(曲線)への対応も検討している。

 カスタマイズ商品は16年2月から販売を開始。順調に販売を伸ばしているという。

 これまでは、ネットを介して製品を販売するだけだったが、こうした加工対応もするようになると、工業用ゴム製品卸商社にとっても大きな脅威だ。対象商品が拡大し、より高度な加工にも対応するようになると、脅威はさらに増してくる。

 モノタロウを代表とするネット通販の台頭で「ゴム製品の流通体系が乱れる」という懸念がよく聞かれる。工業用ゴム製品卸商社の中には、ネット通販の台頭に対して脅威を感じている企業も多い。しかしその一方で「ネット通販は時代の趨勢となっている。我々商業者はネット通販とは競合する部分があるが、一方でそれらネット通販を流通チャネルの一つとして捉え、活用していくという方法もあるのではないか」と、今後の共存共栄を模索する動きもある。

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