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大口径タイヤの供給体制さらに強化

東洋ゴム工業、米国・マレーシア工場のタイヤ生産増強へ

タイヤ 2017-09-28

米国タイヤ工場(左)とマレーシアタイヤ工場


 東洋ゴム工業は9月28日、米国およびマレーシアのタイヤ製造工場の生産能力を増強すると発表した。収益の主軸である北米市場向けの米国タイヤ工場(TNA)と、グローバル供給のハブ機能を担うマレーシアタイヤ工場(TTM)に合計約350億円投資し、それぞれの敷地内で工場建屋の建設や生産設備の導入を進める。

 TNA(ジョージア州)では、約140億円を投じ、年産240万本規模(以下、全て乗用車用タイヤ換算)の生産能力を有する建屋の建設を進める。第1段階として、1/2にあたる年産120万本のタイヤ生産に必要な設備を導入、19年4月の稼働開始を予定している。

 一方のTTM(ペラ州)では、約210億円を投じ、年産480万本規模の生産能力を有する建屋を建設する。第1段階として、1/2にあたる年産240万本のタイヤ生産に必要な設備を導入し、19年10月の稼働開始を予定している。

 今回の両工場における増強計画は、同社が競争優位性を有するピックアップトラック/SUV/CUV用を中心とした大口径タイヤの供給体制をさらに強化するもの。TNAでは、北米市場での大口径タイヤの旺盛な需要に対応するため、これまでに4期にわたり生産能力を増強。16年秋には年産能力1,150万本の同社最大の生産拠点となった。今回の拡張計画は第5期にあたり、第1段階では年産能力1,270万本、計画完了時(最終キャパシティ)は同1,390万本体制となる予定。

 また、13年5月操業のTTMは15年7月に第1期拡張により年産500万本体制となっており、今回の拡張計画は第2期にあたる。第1段階では年産能力740万本、計画完了時(同)の年産能力は980万本にまで拡大する計画だ。

 なお、同社では2020年以降の持続的成長を見据え、グローバル市場への供給を念頭に置いた新生産拠点の検討を行っている。既存工場の生産能力向上と並行し、様々な可能性を視野に入れながら、検討を進めていくとしている。

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