機能性の向上や新規用途開拓に取り組む
ダンロップ(住友ゴム工業)、独自技術「センシングコア」の普及・拡大推進
タイヤ 2026-03-16
自動車走行時の安心・安全に寄与する技術としてダンロップ(住友ゴム工業)では、独自技術で開発した「センシングコア」を国内外でさらに普及拡大すべく、機能性の向上や新規用途開拓に取り組んでいる。同社オートモーティブシステム事業部企画部事業企画グループの定本祐課長にセンシングコアの概要や開発背景、今後の展開について聞いた。

「センシングコアは安心・安全に寄与する技術」を語る定本課長
センシングコアは、タイヤ開発で培ったタイヤの動的挙動に関する知見と、タイヤの回転により発生する車輪速信号(データ)と、車両に流れるCANデータ(車両制御情報)を解析するデジタルフィルタリング技術を融合させることで、タイヤの空気圧、摩擦状態、荷重や路面状態、車輪脱落予兆などを検知するダンロップ独自のセンシング技術だ。センシングコアの原型は1997年にダンロップが開発したタイヤ空気圧低下警報装置(DWS:Deflation Warning System)で、欧米や中国でタイヤ空気圧監視システム(TPMS)装着義務が法制化されたのが開発のきっかけという。2025年末までに世界の自動車メーカーに約5,600万台の納入実績がある。

TPMSにはセンサー式とセンサーを使用しないソフトウェアタイプがあるが、DWSはセンサーレスタイプで、車載コンピュータにインストールすることで機能する。センサー式は実測値で空気圧の状態を判断するが、DWSは現状の車輪速信号と車両の信号正常値を比較分析することで空気圧の状態を把握し異常を検知するという違いがある。
「センサー搭載の場合は数年後に電池やセンサー本体を交換する必要があり、DWSに比べコスト高になる。夏・冬タイヤの交換時にセンサーを付け替える手間もある。DWSであれば交換不要でメンテナンスフリーという利点がある」(定本課長)
TPMSは法規制のある米国・欧州・中国で普及しており、米国はセンサー式が主流で、DWSは欧州と中国市場がメインだ。搭載車両はDWSはコンパクトカーなど小型車が多く、センサー式は高級車への搭載が多いという。
センシングコアは、DWSを進化させたもので、「空気圧に加え、摩耗、荷重、路面状態、車輪脱落などさまざまな情報を検知し、ドライバーに知らせすることで安心・安全に寄与する技術だ。今後は顧客の個別のソリューション対応にもさらに力を入れていきたい」(同)としている。
また、センシングコアにより得た分析データを、車両制御に活用するだけでなく、クラウド経由で街や社会の情報と統合し、ビッグデータとして解析することも可能だ。そしてそのデータが車両にフィードバックされ、タイヤや路面に起因する危険を事前に察知し、回避することも可能になるという。
今後は、車載OSを搭載した次世代車両を中心に開発とライセンス販売を行ったり、自動車メーカーのクラウドにインストールする形でライセンス販売するという構想もある。
新たな取り組みとして注目されるのが、いすゞ自動車の大型トラックに車輪脱落予兆検知機能を標準装備したこと。2025年10月から発売を開始した。走行中のホイールナットの緩みを検知し、異常時には警告表示とブザー音でドライバーに注意を促す。これにより、従来の点検や経験を通じた検知に加え、走行中でもナットの緩みを検知できるようになり、車輪脱落事故の未然防止に大きく貢献することが期待されている。
また、昨年12月には中国、重慶瑞馳汽車の新型商用EV「瑞馳C5」にタイヤ荷重検知とタイヤ空気圧検知が搭載された。同社におけるタイヤ荷重検知の搭載は世界初となる。
開発面では、メーカーごとの機能仕様に合わせた個別開発が行われており、顧客の要望に合わせたソリューション提案を重視している。「開発にあたってはタイヤメーカーであるダンロップの強みを活かしていく。タイヤは自動車部品の中で唯一直接地面に接している。そこから得る情報は貴重だ」(同)。
今後の用途開拓では自動運転車両への搭載を期待している。「カメラや部品、情報クラウドなど自動運転に係るサプライヤーとエコシステムを組むことで、新たな可能性や需要を創出していきたいと考えている」(同)。
ダンロップでは、センシングコアの普及・拡大に向けてPR活動にも力を入れている。米国で開催された世界最大級の先端技術見本市「CES」では、3年連続センシングコアを出品した。「来場者の注目も高く年々認知度が高まっており、非常に手応えを感じている」(同)。
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