【特集】低燃費タイヤ-メーカーに聞く「低燃費の次に求められる性能は」
ブリヂストン、新配合「エコ効きもちゴム」
タイヤ 2017-05-11
ブリヂストンが今年2月から国内で順次発売した低燃費タイヤ「エコピア」ブランドの新商品「ECOPIA NH100シリーズ」。2種類のポリマーとシリカを組み合わせ、ウェット性能・ライフ性能と低燃費性能の両立を実現した「エコ効きもちゴム」を採用しているのが特長。この「エコ効きもちゴム」とは何か? 小型タイヤ材料設計部門の担当者に話を聞いた。
■エコ効きもちゴムとは
「エコ効きもちゴム」は、これまで両立が非常に難しかったウェット性能・ライフ性能と低燃費性能を高次元でバランスすることを目標として開発したゴムだ。ポリマーの組み合わせとシリカとの結合、またその分散性が開発のポイントになっている。従来、油に近い性質を持つポリマーと、水に近い性質を持つシリカでは親和性(なじみやすさ)が低く、シリカ同士が凝集し擦れ合って発熱し、燃費性能に悪影響を及ぼす課題があった。2014年にこの課題を解決したのが、当社と花王株式会社で共同開発した「サステナブル分散性向上剤」。この技術開発により、ポリマーとシリカのなじみやすさと分散性を飛躍的に向上させることができるようになった。
■低転がり性能特化ポリマー
上記に加え、今回の「エコ効きもちゴム」では、燃費性能向上に特化した「低転がり性能特化ポリマー」を新たに開発した。このポリマーは低燃費性能が特に優れる一方で、相反するライフ性能の両立が困難だったが、末端にシリカ反応性の特殊変性剤を有しており、ライフ性能向上に効果のあるシリカと結合しやすい状態にしてある。つまり、弱みであるライフ性能部分をシリカの結合により補完できるため、強みである高い低燃費性能を活かしたゴム開発が可能となった。
■ウェット向上ポリマー
また、「エコ効きもちゴム」にはウェット性能の向上を目的とした「ウェット向上ポリマー」も採用しており、大別して2種類のポリマーを組み合わせている。「ウェット向上ポリマー」は、「低転がり性能特化ポリマー」と比較すると相対的にライフ性能が優れているため、シリカは後者のポリマーに優先的に結合するよう工夫をしているわけだ。
■ナノプロ・テックも活用
もちろん「サステナブル分散性向上剤」の技術と当社独自の超微細技術である「ナノプロ・テック」も活用しているため、シリカが「低転がり特化ポリマー」に優先的に結合しながら高い分散性も実現している。その結果、今回開発した「エコ効きもちゴム」はウェット性能・ライフ性能と低燃費性能を高い次元で両立することに成功した。今回の開発には多くの課題があったが、関連部門が一丸となることでお客様の安全・安心に貢献できる新しいゴム開発をやり遂げることができたと考えている。
-
「ALENZA 001」
ブリヂストン、LEXUS「RZ450e」の特別仕様車「F S
タイヤ 2024-04-24
-
無目的室「Morph inn」に5月17...
ブリヂストン、ゴム人工筋肉を活用した柔らかいロボット「Mor
工業用品 2024-04-24
-
今回で6回目
ブリヂストン、「CDP2023 サプライヤー・エンゲージメン
タイヤ 2024-04-23
-
【特集】夏タイヤ
ブリヂストン、コト消費も踏まえ「REGNO」の価値を伝達
タイヤ 2024-04-23
-
持続可能な社会の実現に向けた...
ブリヂストン、「FTSE4Good Index Series
タイヤ 2024-04-18
-
商品設計基盤技術「ENLITEN」の...
ブリヂストン、「Tire Manufacturer of t
タイヤ 2024-04-17
-
【人事】
ブリヂストン(4月16日)
人事 2024-04-17
-
「4月8日タイヤの日」起点に安...
ブリヂストン、「ファミリー交通安全パーク」を開催
タイヤ 2024-04-12
-
特集「防災に貢献するゴム企業」
ブリヂストン、高減衰ゴム系積層ゴム中心とした「免震ゴム」
ラバーインダストリー 2024-04-11