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協働して研究開発、人材育成を推進

TOYO TIRE、同志社大学と包括的連携協定を締結

タイヤ 2024-03-14

会見するTOYO TIREの清水社長(右)と同志社大学の植木学長


 TOYO TIREと同志社大学は3月8日、包括的連携協定を締結した。両者が協働して研究開発、人材育成を推進することにより、社会貢献、相互発展を目指す。

 同協定に基づき、両者は双方が持つ固有の付加価値の高いリソースを相互に提供、融通する。両者はこれまで、多くの企業、大学と共同研究等を進めてきたが、包括的連携協定を結ぶのはTOYO TIREが初めて、同志社大学は2件目となる。

 「同志社大学-TOYO TIRE連携プロジェクト」として、①新たな共同研究の創出と実施②技術相談対応を含めた同志社大学からTOYO TIREへの学術指導③同志社大学における各種制度を活用した同志社大学在学生、TOYO TIRE社員に対する教育④キャリア形成支援――に取り組む。協定期間は2024年4月から5年間。同プロジェクトを推進する資金として、TOYO TIREが1億円規模を拠出する。

 同日、ホテルオークラ京都(京都府京都市)で行われた共同会見の席上、TOYO TIREの清水隆史社長は「当社は事業を通じて、社会に価値を創出していく経営を志向しており、その源泉の一つとして『人財』は欠かせない。専門能力を社内で研鑚、育成していく土壌づくりも必要になっており、高度な教育・研究プログラムの導入は、今後の課題になる。

 同志社大学が保有する様々な叡智に触れ、多面的に研究を進め、将来を担う技術人材の育成にも取り組み、社会に役立つイノベーションの実装スピードを上げていく。このユニークな包括的連携プロジェクトは、新しい産学連携のあり方を社会に提示していくチャレンジになると思う」と語った。

 一方、同志社大学の植木朝子学長は「本学は、これまで研究者同士の『個』対『個』だった産学連携を、『組織』対『組織』として包括的に連携していくことを推進しており、今回の連携はこのビジョンに合致した。イノベーションに繋がる新技術の開発が進み、本学の研究成果の社会実装が推進されることを期待している。

 今回の連携は、研究・開発にとどまらず、教育・人材育成にまで広げた包括的なものだ。社会人と本学の大学院生が共修する環境を実現することで、お互いが刺激し合い、既存の技術・新しい技術に新しい価値を付与するような議論が展開され、社会課題を解決する人材育成へと繋がることを期待している」と語った。

 TOYO TIREと同志社大学は、異なる個々の研究テーマに対し複層的な共同研究を進めることで、タイヤに応用できる技術の社会実装を加速させていく。初年度はサステナブル原材料、タイヤセンシング、エアレスタイヤなど次世代タイヤにおける新素材、タイヤの振動・騒音の4テーマに取り組み、成果報告会も行いながら次年度以降のテーマに繋げていく。共同研究に加え、同志社大学が専門性の高い知見をタイムリーに提供することで、TOYO TIREは研究期間短縮と技術の具現化を進めていく。

 また人材育成では、同志社大学が在学生向けに設置する研究科横断的な特長ある独自の教育プログラムを、学習機会として提供する。同プログラムを、TOYO TIREはリカレント教育の場として将来人材の育成に積極活用。一方の同志社大学は、企業人とともに学びを深めることで大学院生のキャリアプラン策定だけでなく、多角的な視野を持った人物の育成に活用する。TOYO TIREでは技術、販売、コーポレートの各部門の若手から管理職層まで年10~20人が同プログラムで学ぶ予定だ。

 人材育成に関しては、TOYO TIREが同志社大学の学生向けに、インターンシップや各種セミナー等のキャリア支援プログラムを開催するなど、実業の立場からのキャリア支援も行う。TOYO TIREでは現在、同志社大学から年10~15人のインターンシップを受け入れているが、今後1.5~2倍に増やす。

TOYO TIREと同志社大学が包括的連携協定

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