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ブリヂストンの新タイヤ成型システム「エクサメーション」

すべての情報集まる成型工程の自律化めざす

タイヤ 2016-06-06

センサーによる品質保証

センサーによる品質保証


 本紙既報(5月30日付)の通り、ブリヂストンは5月25日、最新鋭タイヤ成型システムを開発し、2月から同社の彦根工場に導入、稼働を開始していると発表した。同システムの概要および技術説明に当たった三枝幸夫タイヤ生産システム開発本部長らと報道陣とのやりとりは次の通り。

 ■生産体制の考え方
 将来の方向性は、日本のモノづくりの強みを活かして技術のグローバル展開を図ることにある。そのため国内では、生産体制の最適化と最先端技術の導入に力を入れており、タイヤ10工場の中でも乗用車用タイヤの専門工場であり、フラッグシップ工場に今回、最新鋭のタイヤ成型システムを導入、競争力強化を図ることにした。

 ■ICT取り組みの歴史
 1931年当時、タイヤは手作りであったがその後、人手前提から自動前提、さらにICT活用で工場全体自立へと向かっている。その間、当社のICTの取り組みの歴史は長く、20年前からFOA(製造現場型のIoT技術)開発を進め、ネットワーク化も行ってきた。

 その中で課題もみえ、ビッグデータを有効活用できないものか、と考えた結果が今回のICTをさらに進化させたBIO/BIDといえる。

 ■ブリヂストン流モノづくりICT
 コア技術である高分子複合体の材料/構造/加工の技術・ノウハウを注入したICT・IoT技術がBIO/BIDである。このAI制御モジュールにより、①フィールド情報のセンシング技術②アルゴリズムを生む解析/予測技術③高精度加工技術、の3つの技術のサイクルを高速に回していくのが今回確立した「エクサメーション」のコンセプトだ。

 ■エクサメーションが目指す世界
 インダストリー4.0をにらんだ高品質・高生産性の自動化システムを目指している。開発したエクサメーションは、自律化が可能となる自動運転のレベルが4とすると、普段は全自動だが、異常の際は人の判断を仰ぐレベル3まできたとみている。

 ■なぜタイヤ成型工程なのか
 すべての部材や情報が集まるのが成型工程であり、この中枢工程で高品質、高生産性、スキルレス(自律化)を実現するのがエクサメーションだ。高生産性は能力が全自動により2倍となり、携帯情報端末を腕につけて2000項目以上の情報データを読み取り、それを基に自律化した全自動+ICTによる高精度成型を目指す。

 ■マルチドラム製法
 今回システムでは、3つの専用ドラム(プライ、インナー/ライナー、サイド)で同時に部材を巻き付け、後で合体して次の工程に送る技術を採用。さらに柔らかい部材を正確に組み立てるには、従来は人の勘・コツに頼っていたが、今回はレーザーセンサーで正確に貼り合わせているかを確認する最適制御を取り入れている。

 ■投資額
 15年10月、彦根工場に最新鋭の技術・設備を導入し、IT化や自動化を含めた生産ラインの再設計を実施すると発表した。それらの投資額は約150億円であるが、この中にエクサメーションの投資額も含まれている。

 ■システムの展開
 既存・新設工場などグローバルに展開していくが、新システムは17インチ以下のタイヤ成型がメインなので、マーケットは日本、欧州が中心になる。今後の展開については、今進めている中計の中で詰めていきたい。

 ■自動化に伴う雇用面への影響
 足元の彦根工場は、採用が追いつかないほど人手不足に悩んでいる。その対策として、自動化して生産効率を上げることにしているが、成型工程に携わっている技能員は高度なノウハウを持っているので、彼らの知見をデジタル化することに注力していく。そのため自動化するといっても、雇用には影響しないとみている。

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