2020年度 売上高4,800億円、営業益600億円へ
東洋ゴム工業、新中期経営計画を発表
タイヤ 2017-03-13
東洋ゴム工業は3月10日、ホテルグランヴィア大阪で記者会見を開き、新中期経営計画「中計’17」を発表した。「中計’17」は、2017-20年の4カ年が対象。最終年度となる2020年12月期に連結売上高4,800億円、営業利益600億円、営業利益率12.5%を目指す。
中計’17では、持続的成長に向けた事業機能・経営基盤の強化に一層注力するとともに、営業利益率を維持・拡大しつつ、重点ターゲット領域での着実な成長を目指す。4年間累計の設備投資額は、約1,280億円で、タイヤ事業に約1,120億円、ダイバーテック事業に約160億円を投資する。タイヤ事業の設備投資は、供給能力の増強が主で、1,120億円のうち35-40%については生産拠点の新設やマレーシア工場の増強といった投資に充てる考え。新生産拠点の立地等については現在検討中だが、「少なくとも1拠点は新設したい」(清水隆史社長)としている。
タイヤ事業は、利益極大化に向けた事業基盤の強化を図り、20年12月期の売上高4,000億円、営業利益560億円、営業利益率14.0%を目指す。成長に向けては、独自のタイヤ設計基盤技術の強化や進化、商品化に向けた要素技術の革新などを進める。
販売面では、市場動向に応じた商品ミックスの最適化、同社の強みであるピックアップトラック、SUV、CUV用商品カテゴリの強化を図る。グローバルの販売本数は、2016年の3,500万本から20年には4,400万本に拡大する考えで、同商品カテゴリのグローバル販売構成比率も16年の36%から20年には40%に引き上げる。
ダイバーテック事業では、将来的に成長を目指す分野に資源を集中することを基本戦略に、自動車部品事業のグローバル成長を加速する。20年12月期の目標は、売上高800億円、営業利益40億円、営業利益率5.0%。加速に向けて、販売、ゴム技術などタイヤ事業との相乗効果、自動車メーカーへの総合的提案、顧客密着戦略を行う。
売却含め様々なケースを検討
今回の新中計では、ダイバーテック事業の方針として、自動車部品事業のグローバル成長を加速することが明らかとなったが、昨今報道されている非自動車分野の売却について、清水社長は次のように語った。
「新中計はモビリティを中心にお金、人材、技術を集中する。現在、再発防止策の中で全ての事業について事業評価を行っている。事業売却を含め、様々なケースを検討している。決まり次第、公表する。免震ゴムについては、最後の1棟、1基の交換までやり通すことを最優先課題として取り組んでいく」
伊丹への本社移転は7月末めど
また免震ゴムの問題で延期となっていた兵庫県伊丹市への本社移転については、次のように語った。
「伊丹への本社移転については、7月末をめどに移転の検討を始めた。現行の本社ビルは売却を視野に入れている。伊丹には技術センターがあり、そこに本社を移転することで、一体運営ができ事業効率を高めることができる。本社売却の資金は、免震への引き当てにも充てていきたい。総合的に考え、移転を検討している」
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