走りぬくタイヤで高評価
横浜ゴムがスーパーフォーミュラ選手権に20年ぶりの復活
タイヤ 2016-05-09
横浜ゴムがワンメイクでタイヤ供給を行う「全日本スーパーフォーミュラ選手権」のシーズンが開幕した。4月24日に三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで行われた決勝戦では、およそ20年ぶりの復帰となる横浜ゴムのスポーツタイヤ「ADVAN」のパフォーマンスとレースメイクに3万2000人の来場者の熱い視線が寄せられた。
今回の決勝戦では山本尚貴選手(TEAM無限)が独走態勢で逃げ切り優勝を飾った。その山本選手をはじめタイヤ無交換で走りぬいた選手も多く、「今シーズンから横浜ゴムのレースタイヤADVANの仕上がりが注目されたが、ワンレースを走りぬくタイヤに作り込んだ」と実況放送でも高い評価を得ていた。
安全性を第一にスピードと耐久性の限界に挑む
横浜ゴムでは、タイヤメカニックをはじめ各タイヤ販社などから多数が万全な体制でレースのタイヤサービスに臨んでいた。
レース前にスーパーフォーミュラ選手権へのタイヤ供給とモータースポーツ活動の意義について野呂政樹執行役員タイヤ消費財開発本部長は「このレースに挑むにあたって、まず安全性を第一に確保しながらスピードと耐久性を発揮するタイヤに仕上げる苦労があった」と語った。
ワンメイクタイヤ供給の場合、全チームに同じ条件で品質やパフォーマンスを均一に作り込むことが絶対条件となるが、タイヤは製造する季節ひとつとっても製造のファクターが異なってくる。
「まずはレースを盛り上げるタイヤに仕上げる必要があり、レース日程に合わせた生産体制も取らなければならない。もちろん専用ラインを確保し製造に努めている。この鈴鹿を皮切りに、それぞれ条件の異なるサーキットで最高のパフォーマンスを反映できるタイヤ作りが必要だった」(同)。
「タイヤメーカーとしてレースにおいて極限に近い状態で得られるさまざまな貴重なデータは、それこそ気候も道路状況も使いこなしもさまざまで、使用条件の幅のある新車装着や補修用タイヤに性能バランスや性能を特化する際の貴重なデータとして活用することが出来る宝物だ。スーパーGTにも参戦しながら、スーパーフォーミュラ選手権に復活した真意は、やはりタイヤ製造技術の一段の向上を目指すもので、実際にレース用タイヤのゴム原材料を担当しているチームはスタッドレスタイヤの原材料開発も担当している」(同)とレース参戦の意義を語った。レースで得たデータを今後のタイヤ製造技術に最大限活用していく方針だ。
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