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氷上性能と雪上性能を高いレベルで両立

横浜ゴム、スタッドレスタイヤの新商品「iceGUARD 7」を発表

タイヤ 2021-07-29

「iceGUARD 7」を発表する山石社長


 横浜ゴムは7月29日、「スタッドレスタイヤ新商品発表会」をオンラインで開催し、乗用車用スタッドレスタイヤの新商品「iceGUARD 7」を発表した。9月1日から順次発売する。発売サイズは全89サイズで、価格はオープン価格。

 発表会では冒頭、同社の山石昌孝社長が「当社は2021年度から2023年度までの新中期経営計画『Yokohama Transformation 2023(YX2023)』で、当社の既存事業における強みの進化と時代のニーズに応える新しい価値の探索を同時に推進し、次世代の成長に向けた変革を図ることを目指している。その事業戦略の1つとして、日本においては市場動向にあったスタッドレスタイヤの販売強化を掲げており、『iceGUARD 7』はその第1弾として4年ぶりに上市するスタッドレスタイヤとなる。iceGUARDは2002年に誕生し、この20年の間、氷上性能を一貫して追求してきた。『iceGUARD 7』は、当社スタッドレスタイヤ史上最高の氷上性能を実現することができた。さらに氷上性能と相反する雪上性能も向上しており、より高いレベルでの両立に成功している」とあいさつした。

 「iceGUARD 7」は、「①優れた氷上性能の更なる向上②消費者が実感できる『永く効く性能』③氷上性能と雪上性能の両立の3つを開発コンセプトとして開発を進めてきた」(野呂政樹取締役常務執行役員)。iceGUARDが一貫して追求してきた氷上性能をさらに向上させるとともに、雪上性能もレベルアップ。従来品「iceGUARD 6」で定評のあった性能持続性も兼ね備えた。

 トレッドパターンは、新たな開発アプローチである「接地とエッジの両立技術」によって、同社スタッドレスタイヤ史上最大の接地面積と溝エッジ量を実現した専用パターンを開発した。「マルチベルトブロックEX」、「コレクティブビッグブロックEX」などが接地面積の拡大とブロック剛性の向上に寄与。接地面積が約3%拡大、ブロック剛性が約5%向上したことで、氷上性能がレベルアップしている。

 「マルチダイアゴナルグルーブ」、「トリプルライトニンググルーブ」は、パターンの中央領域において溝エッジ量を約30%増大させ、優れた雪上性能を発揮する。また、50%摩耗時にサイプが太くなる新形状の「クワトロピラミッド グロウンサイプ」を採用したことで、使用後期まで氷上性能をキープ。新開発の「ダブルエッジマイクログルーブ」により、装着初期の氷上性能も高めている。

 コンパウンドは「iceGUARD 7」専用の「ウルトラ吸水ゴム」を開発。実績のある「新マイクロ吸水バルーン」に加え、新採用の「吸水スーパーゲル」が氷上で滑る原因となる氷表面の水膜を素早く吸水する。新採用の「ホワイトポリマーⅡ」によって「シリカ」を均一に分散させることで、ゴムがしなやかになり氷へ密着。新採用の「マイクロエッジスティック」が氷や雪を噛むエッジ効果を発揮する。また、実績のある「オレンジオイルS」がゴムのしなやかさを維持。劣化抑制効果を発揮する。

 新開発の専用パターンと「ウルトラ吸水ゴム」の相乗効果によって、従来品に比べ氷上性能は14%、雪上性能は3%向上したほか、性能持続性、ころがり抵抗、ウェット性能、静粛性能、ドライ性能、耐摩耗性能は「iceGUARD 6」と同等レベルを確保している。

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