左右非対称パターンでローテーション可能
TOYO TIREのオールシーズンタイヤ「CELSIUS」
タイヤ 2020-09-25
TOYO TIREのオールシーズンタイヤ「CELSIUS」(セルシアス)がその存在感を増している。
同商品は2015年に北米で、2016年に欧州で販売が開始され、日本市場には2019年から投入された。「過去に同じようなコンセプトのタイヤを日本市場に投入したことがあったが、その時はオールシーズンタイヤの市場が根付いておらず、販売に繋げることができなかった。近年、日本での降雪環境が変化してきたことに加え、オールシーズンタイヤの認知度も上がってきていることから、今回改めて最新技術を搭載したCELSIUSを投入した」(TOYO TIRE)。
OUT側で夏性能をIN側で雪性能を発揮
■最大の特徴
CELSIUSの最大の特徴は、「左右非対称パターン」を採用している点だ。タイヤのIN側(スノー性能)とOUT側(ドライ・ウェット性能)で大きく機能を分けており、それぞれが持つコンセプトを1つのタイヤに融合している。
OUT側では、優れたグリップ力を発揮する「3Dグリップサイプ」、接地性を高めることで高い操縦安定性を発揮する「溝底補強ブロック」、優れた操縦安定性を実現する「周方向連結ブロック」を採用することで、通常の夏タイヤと同水準のドライ・ウェット性能を発揮する。
IN側では、優れたグリップ力を発揮する「3Dグリップサイプ」、降雪時にトラクション性能を実現する「ジグザグブロック」を採用することで、雪路面にもしっかりとしたグリップ力を発揮。欧州でのシビアなスノー要件を満たしたタイヤにのみ表示が許される「スノーフレークマーク」を打刻している。
■非対称パターンのメリット
通常、ワンウェイパターンのタイヤは左右のローテーションができないが、非対称パターンを採用しているCELSIUSはそれが可能だ。ローテーションにより、段差摩耗・偏摩耗を抑制することができ、通常の夏タイヤと同等のライフ性能を実現している。
また、段差摩耗の抑制は騒音抑制にも繋がる。CELSIUSでは段差摩耗抑制に伴う騒音の低減だけでなく、IN側とOUT側で大きく異なるパターン形状によっても騒音を低減している。それぞれのパターンが発生するノイズの周波数が違うため、結果としてタイヤ全体の騒音レベルを下げることができるためだ。「1年を通して使用するタイヤだからこそ、静粛性能もしっかり押さえる必要があると考えた。CELSIUSは通常の夏タイヤと遜色ないレベルの静粛性能を実現している」(同)。
■拡販に向けて
オールシーズンタイヤの市場での認知度は上がっているが、販売に繋げるためにはさらなる認知度の向上が必要だと同社では考える。
「通年使用できる」という特徴は、個人ユーザーだけでなく、事業者にとってもメリットがある。「カーリースやカーシェアリング、タクシーなどの事業者は、年に数回雪が降るような地域で営業を行っている場合でも、これまでは夏タイヤと冬タイヤ、両方を準備して履き替える必要があった。オールシーズンタイヤがあれば、一年を通しての使用が検討できるため、コストの合理化にも繋がると考えている。また、タイヤの保管場所が必要なくなるという点もメリットになる。こうした点をもっとアピールして拡販に繋げていきたい」(同)。
ただ、注意点もあると同社は語る。「オールシーズンタイヤと聞くと、どうしてもオールラウンドなタイヤ、どんな路面でも走れるタイヤと受け取られてしまう。オールシーズンタイヤはゴムの柔らかさで冬性能を発揮しているわけではないので、特に凍結したアイス路面に対してはスタッドレスタイヤと同じような性能を出せない。その点は、注意喚起をしながら拡販していくのがメーカーとしての責任だと思っている」(同)。
■販売サイズを3倍に
同社は8月31日、CELSIUSのサイズラインアップを13サイズ追加し、全19サイズで展開すると発表した。11月から順次拡充していく。当初、日本ではSUV向けに6サイズを展開していたが、オールシーズンという認知され始めた新しいジャンルの商品として適用対象車種を広げ、さらなる拡販を図る方針だ。
■試乗で性能を確認
2月下旬、北海道佐呂間町にある同社の冬期タイヤテストコースで、CELSIUSに試乗する機会を得た。
消費者がオールシーズンタイヤに求める大きな性能が雪上性能だろう。他社から発売されているワンウェイパターンとは大きく異なり、左右非対称のパターンを採用したCELSIUSは見た目から大きく異なる。そのIN側に配置し、冬性能を持たせた「3Dグリップサイプ」、「ジグザグブロック」が試乗の中でしっかりと機能した。
雪上路面での加速、高速のレーンチェンジ、下り坂での制動など、タイヤが路面をしっかりと捉えていなければ車体の挙動が乱れる場面においても、CELSIUSを装着した試乗車の挙動は極めて安定していた。オールシーズンタイヤを装着する動機の一つである「突然の降雪」に十分に対応できる安心感がある。
一方、氷盤路面の走行は、CELSIUSに限らず、いずれのオールシーズンタイヤにも言えることだが、おススメできない。オールシーズンタイヤは元来、氷盤路面に対応するようなコンセプトで設計されていない。夏タイヤよりはマシだが、氷盤路面にはやはりそこを走るために開発され、氷盤路面でも安心・安全、しっかりとグリップする「OBSERVE GIZ2(オブザーブ ギズツー)」のようなスタッドレスタイヤが必須だろう。
-
「OPEN COUNTRY A/T Ⅲ」、「OP...
TOYO TIRE、「OPEN COUNTRY」シリーズのサ
タイヤ 2024-04-18
-
2024年はスキマスイッチがテー...
TOYO TIRE、「すべてのトラック・バス事業に携わる人た
タイヤ 2024-04-17
-
5月9~11日、パシフィコ横浜で
TOYO TIRE、「ジャパントラックショー2024」に出展
タイヤ 2024-04-10
-
TOYO TIRESパートナーデー2024
TOYO TIRE、大阪ダービーで「イチガン」となってガンバ
タイヤ 2024-04-05
-
サステナブル素材を採用した専...
TOYO TIRE、ニュルブルクリンク耐久レースに「PROX
タイヤ 2024-04-03
-
ドライブシミュレーターを活用...
TOYO TIRE、2024年度タイヤ安全啓発活動を実施
タイヤ 2024-04-03
-
コンパクトカーやビジネスバン...
TOYO TIRE、「OPEN COUNTRY A/T Ⅲ」
タイヤ 2024-03-27
-
【人事】
TOYO TIRE
人事 2024-03-22
-
協働して研究開発、人材育成を推進
TOYO TIRE、同志社大学と包括的連携協定を締結
タイヤ 2024-03-14