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出荷金額が前年同月を4.6%下回る

8月のゴム製品生産・出荷実績、堅調だったゴム製品も減速か

タイヤ 2019-10-21


 堅調に推移してきたゴム製品の出荷に陰りが出てきたのか。経済産業省が10月15日に発表した8月のゴム製品生産・出荷実績によると、同月のゴム製品合計の出荷金額は1,667億6,900万円で前年同月比4.6%減となった。右表は2018年1月から19年8月までの主要ゴム製品(自動車タイヤ、ゴムベルト、ゴムホース、工業用品)出荷金額の前年同月比を表したものだが、19年に入って前年同月を下回る月、品目が増えてきたのが分かる。

 ゴム製品合計の出荷金額が前年同月を下回るのは、19年に入って3度目。18年が9月のみだったことからすると、堅調に推移してきたゴム製品が減速していることがうかがえる。前年同月を下回った3度のうち6月と8月は、主要ゴム製品全てで前年同月を下回った。これは18年にはなかったことだ。

 ゴム製品を取り巻く環境はどうか。自動車の統計は7月までしか公表されていないが、日本自動車工業会がまとめた1-7月の国内自動車生産台数(四輪車合計)は586万9,534台で前年同期比3.7%増と堅調だ。ただ、自動車生産台数が前年同月を下回った月は3月と6月。両月は、ゴム製品も前年同月を下回っている。やはり相関関係は強く、今後も自動車生産の影響を受けるだろう。

 海外の影響も少なくない。財務省貿易統計をもとに日本ゴム工業会がまとめているゴム製品の輸出統計によると、ゴム製品合計では1、3、5、6、8月と、19年は5カ月も前年同月を下回っている。18年には9月と12月の2カ月しかなかった。米中貿易摩擦等によって海外は経済の減速が叫ばれているが、ゴム製品の輸出統計からもうかがえる。そして、それがゴム製品の国内生産・出荷に影響を及ぼしていることも間違いなさそうだ。

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