モールド技術のコントロールタワー
【工場探訪】ヨコハマモールド、モールドの設計・製造・販売・調達など担う
タイヤ 2017-12-01
サイドプレートの製造では、まず鋼板メーカーに外径・内径と厚みを指定して材料となる鋼板を注文する。2次元データを横浜ゴムから受け、それを3次元化し、納入された鋼板をNC旋盤機で削っていく。ただ、鋼板は熱で変形するため、ある程度時間をかけ、鉄にあまり熱を与えないようにしながら削っていく(油を噴射しながら削るという方法もある)。
文字加工(ブランド名やサイズなど)は5軸のNCマシンを使い自動で行う。通常は70-80時間をかけて彫っていくが、複雑なデコレーションのものだと180時間ほどの時間がかかる。この際、バリやちょっとした傷などは手作業で修正する。
最後に表面にブラスト処理を施して完成する。ブラスト処理をすることでタイヤにした際にゴムが変に黒光りしてしまうのを防ぐ。サイドプレートはタイヤ1本に対して2枚必要だが、1枚あたりの重量は160キロ、トラック・バス用のものでは400キロにもなる。
こうした複雑な工程を経て、ようやくモールドは完成する。各工程でそれぞれ、人の手によるチェックが行われる。この際に使用される工具類も自分たちの手によって専用に作ったものを使用するという。「まさに工芸品を作るようなものだ」(同社)。