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2025年3月期第1四半期業績

NOK、シール事業は増収増益

決算 2024-08-02

 NOKの2025年3月期第1四半期(2024年4~6月)業績は、売上高が1,881億7,000万円で前年同期比14.8%増、営業利益が56億5,200万円(前年同期は12億2,600万円の損失)、経常利益が120億3,800万円で同86.8%増、純利益が70億1,500万円で同205.3%増だった。

 セグメント別にみると、シール事業は売上高が876億9,400万円で同0.5%増、営業利益が44億9,500万円で同30.5%増。

 自動車向けでは、販売の主要な指標である日系自動車の生産台数が前年同期と比較して減少。日本国内での生産台数減少に加え、海外では、電気自動車が伸長している中国市場で日系自動車の販売が低調だったほか、ASEANでは主要市場のタイで継続している自動車ローンの厳格化などが自動車需要に影響を与えた。

 一般産業機械向けでは、欧米のインフレーションや中国の不動産不況などの景気停滞の影響を受け、消費や設備投資が低迷したことから建設機械向けを中心に販売が減少した。

 一方、為替による押し上げ効果があったことにより、売上高は増加。また、収益性改善を目指した価格改定活動の推進や変動費の良化により、将来に向けた成長投資などの費用増加を吸収し、営業利益も増加した。

 電子部品事業は売上高が919億1,800万円で同31.4%増、営業利益が4億3,300万円(前年同期は47億5,900万円の損失)。

 スマートフォン向けでは、売上高の季節変動を軽減する取り組みの結果、第1四半期の売上高が増加。自動車向けでは、グローバルの自動車メーカーに対する電動自動車のバッテリー用途向けの販売が増加した一方、他の用途向けの販売は減少。ハードディスクドライブ向けでは、減少が続いていたデータセンター向けの需要が回復傾向にあり、販売が増加した。これらに加え為替による押し上げ効果もあり、売上高は増加。また増収効果により、営業利益も2016年3月期以来の黒字となった。

 その他事業は売上高が85億5,600万円で同26.6%増、営業利益が7億1,700万円で同638.6%増となった。

業績予想を上方修正

 同社は2025年3月期第2四半期業績予想および2025年3月期通期業績予想を上方修正した。

 第1四半期以降の為替レート前提を1ドル140円から同150円に変更したほか、シール事業では、日本、中国、ASEAN各地域において予想の前提と比較して自動車生産台数の減少が見込まれることなどから販売が予想を下回る見通し。しかし、収益性改善に向けた価格改定活動を推進することに加え、費用が予想を下回る見通しであること、さらには為替レート前提の変更による影響もあり、売上高、営業利益ともに予想を上回る見通し。

 電子部品事業では、主にハードディスクドライブ向けの販売が予想を上回る見通しであることに加え、為替レート前提の変更による影響もあり、売上高、営業利益ともに予想を上回る見通し。

 また、営業外損益において持分法利益などが予想を上回る見通しであることから、経常利益、純利益の予想についても上方修正した。

 ■2025年3月期第2四半期業績予想
 ◇売上高=3,876億円(前回予想3,646億円、増減率6.3%増)◇営業利益=142億円(同95億円、同49.5%増)◇経常利益=203億円(同134億円、同51.5%増)◇純利益=125億円(同80億円、同56.3%増)

 ■2025年3月期通期業績予想
 ◇売上高=7,447億円(前回予想7,083億円、増減率5.1%増)◇営業利益=280億円(同218億円、同28.4%増)◇経常利益=381億円(同300億円、同27.0%増)◇純利益=232億円(同177億円、同31.1%増)

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