2023年12月期業績
住友ゴム工業、タイヤ事業は売上収益初の1兆円超
決算 2024-02-14
住友ゴム工業の2023年12月期業績(IFRS)は、売上収益が1兆1,773億9,900万円で前期比7.2%増、事業利益が776億7,000万円で同253.6%増、純利益が370億4,800万円で同293.5%増だった。売上収益は過去最高。
事業利益の増減要因は、増益要因が海上運賃で414億円、価格で254億円、原材料で171億円、為替で43億円、スポーツで35億円、産業品他で9億円、減益要因が数量・構成他で191億円、直接原価で85億円、経費で53億円、固定費で40億円、差し引き557億円の増益。
事業別では、タイヤ事業は売上収益が1兆63億8,100万円で同7.1%増、事業利益が635億7,200万円で同416.4%増。タイヤ事業の1兆円超えは初。国内新車用タイヤは、半導体不足等の解消による自動車生産の増加で大きく増販。国内市販用タイヤは、冬タイヤの7月からの値上げの影響や暖冬で出荷が低調だったこともあり、前期から微減。海外新車用タイヤは、中国やインドネシアでは減少となったが、欧米では増販し全体ではほぼ前期並み。海外市販用タイヤは、中国での販売は前期を上回ったものの、市況低迷の影響を受け低水準。一方、インドネシア・アセアンは市況悪化傾向が続いたことから販売が低調に推移した。北米では、主力のファルケンブランドは市場で好評を得ているワイルドピークシリーズの販売が好調。欧州地域は長引くインフレにより消費者の購買力が低下しており、タイヤ交換率も低調に推移し前期を下回った。
スポーツ事業は売上収益が1,266億4,700万円で同8.6%増、事業利益が124億8,200万円で同39.6%増。事業利益は過去最高。ゴルフ用品は、北米・韓国などを中心に順調に販売を伸ばし、2023年12月に発売した13代目ゼクシオクラブも好調に滑り出し、売上収益は前期を上回った。
産業品他事業は売上収益が443億7,100万円で同5.3%増、事業利益が16億300万円で同135.8%増。医療用ゴム製品事業の販売は国内外ともに堅調に推移し、インフラ事業も増収となったが、OA機器用ゴム部品事業は顧客の生産調整の影響で減収、生活用品事業も市況悪化による買い控え等、需要低迷により減収となった。
2024年12月期通期業績予想は、売上収益が1兆2,000億円で前期比1.9%増、事業利益が800億円で同3.0%増、純利益が370億円で同0.1%減。そのうちタイヤ事業は売上収益が1兆330億円で同2.6%増、事業利益が665億円で同4.6%増、スポーツ事業は売上収益が1,315億円で同3.8%増、事業利益が110億円で同11.9%減、産業品他事業は売上収益が355億円で同20.0%減、事業利益が25億円で同55.9%増を見込む。産業品他事業は、構造改革で実施した欧州医療用ゴム製品の製造・販売子会社売却もあり、減収ながらも増益。
事業利益の増減要因は、増益要因が数量・構成他で181億円、為替で42億円、海上運賃で34億円、産業品他で9億円、減益要因が経費で93億円、固定費で67億円、価格で39億円、原材料で15億円、スポーツで15億円、直接原価で14億円、差し引き23億円の増益と予想する。
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