マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=420円台後半まで値上がりし、6月24日以来の高値を更新した。420円水準で売買が交錯していたが、産地天候不順や原油高を手掛かりに買いが膨らみ、一時430円台を回復する展開になった。7月3日の403.20円をボトムに、30円超切り返した。

上海ゴム先物相場は1トン=1万7,000元台に乗せた。1万6,000元台後半で膠着気味の展開が続いていたが、戻り高値を更新している。

中国の4~6月期国内総生産(GDP)は前年同期比4.3%増となり、前年同期の5.0%増から伸びが鈍化した。コロナ禍の2022年10~12月期以来の低成長になる。ハイテク分野を中心とした輸出が堅調だったが、不動産不況や家計消費の低迷を受けて、内需の落ち込みが深刻化している。ただし、同統計を受けてゴムの需要不安を織り込むような動きは見送られた。

産地気象環境が不安定化していることはポジティブ。エルニーニョ現象が発生しているが、時間の経過とともにその強度が高まっている。天然ゴムの主産地である東南アジアでは、高温に加えて局地的な豪雨が報告されている。期近限月に対して積極的にリスクプレミアムを本格的に加算する動きまではみられないが、投機筋の物色意欲が強まる一因になった。

日本の気象庁が7月10日に発表した最新の「エルニーニョ監視速報」では、秋にかけてエルニーニョ現象が続く見込みが100%との見通しが示されている。徐々にその勢いが強まる見通しであり、年内は天候リスクが高めの状態が続く可能性が高い。

一方、7月に入ってからは改めて中東情勢が不安定化し、それに伴い原油相場が反発していることはポジティブ。ホルムズ海峡でイランが複数の船舶に対して攻撃を行い、米国との間で攻撃の応酬が報じられている。原油輸出環境の不透明感が高まる中、WTI原油先物相場は1バレル=70ドル割れから80ドル台前半まで切り返している。

ここ最近は原油相場とゴム相場との連動性が薄れていたが、7月に入ってからは上海ブタジエンゴム先物相場が反発していることもあり、天然ゴム相場も強含みやすい環境になった。ブタジエンゴム相場は一時1万2,000元を割り込んでいたが、1万3,000元台後半まで切り返している。1万7,000元水準の天然ゴム相場との価格差は大きいが、下落し続けていたブタジエンゴム相場のトレンドが転換したことも、天然ゴム相場の押し上げ要因になった。

ドル/円相場は1ドル=160円台前半での小動きだった。円安環境が円建てゴム相場を下支えしているが、大きなインパクトはみられなかった。