マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=440円水準で売買が交錯した後、410円割れまで急落した。特に目立った売り材料などは見当たらなかったが、上海ゴム相場が上げ一服感から調整売り優勢の展開になり、これにつれてOSEゴム相場も値下がりしている。5月25日以来の安値を更新した。

 上海ゴム先物相場は1トン=1万8,000元台を維持できずに調整局面入りしていたが、1万6,000元台中盤まで値下がりしている。

 6月下旬以降は、強めの調整圧力が観測されているが、明確な売買テーマは見当たらない。単純に上海ゴム相場が1万8,000元台の維持に失敗したことを受けて、持高調整の売りが膨らんだ模様だ。5月上旬、6月上旬に続き、6月中旬も1万8,000元台を維持できなかった。1万6,000元台中盤では押し目買いも入っているが、反発力は限定されている。このため、OSEゴム相場も6月中旬にかけての堅調地合に対する反動安になった。

 需給面では、タイ産ゴムの中国向け輸出が増加したとの報道も、上海ゴム相場の上値を圧迫した模様だ。エルニーニョ現象の発生で東南アジアの気象環境は不安定化している。このため、コーヒーや砂糖、パーム油などが天候リスクを織り込む動きをみせており、天然ゴムの供給減少リスクも高まっている。しかし、季節的には増産期への移行が進むこともあり、供給環境の評価は割れている。6月中旬までは他農産物相場と同様にエルニーニョ現象のリスク織り込みが優勢だったが、天候相場型の値上がりは一服した。

 中国の6月製造業PMIは前月の50.0から50.3まで上振れした。大きな変動ではないが、これで活動の拡大・縮小の分岐点である50を4カ月連続で維持した。個人消費環境の悪化が警戒されるものの、製造業セクターの活動は堅調だった。新規受注や生産も底堅さをみせており、素材市況全体の下値が支えられたことは下値を支える材料になった。ただし、ゴム相場に関しては1万6,000元台で下げ渋るにとどまった。

 ゴム市場では株価動向も重視されているが、日経平均株価の上昇が一服したこともネガティブ。大きく値を崩しているわけではないが、世界的にハイテク株の地合が不安定化しており、日経平均株価も6月22日を最後に高値更新が止まっている。

 原油相場がイラン戦争勃発時の価格水準まで値下がりしていることもネガティブ。湾岸諸国のホルムズ海峡を経由した原油輸出が増加しており、約4カ月ぶりの安値を更新している。それと連動して上海ブタジエンゴム相場の値下がりが続いていることも、天然ゴム相場の上値を圧迫した。