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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、相場テーマが定まらず

2017-07-14

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1キロ=200円台中盤での保ち合い相場を経て、190円台中盤から後半まで小幅軟化する展開になった。

 7月4日の取引で突然に上海ゴム相場が急落地合を形成したことを反映した値動きである。また、北朝鮮情勢の緊迫化を受けて、為替市場で円安圧力にブレーキが掛かったことも、上値圧迫要因として機能した模様だ。

 ただ、出来高は急激な落ち込みを見せており、先行き不透明感から積極的な売買は見送られる傾向が強くなっている。明確な売買テーマが見当たらない中で、ポジション調整中心の展開になった。

 上海ゴム相場が突如水準を切り下げたが、これも特に明確な理由は見当たらない。鉄鉱石や石炭相場など、他の中国市場のコモディティは高値で明確な方向性を打ち出せておらず、ゴム相場のみがなぜ急落したのか、明確な理由付けが難しい状況になっている。実際に、上海ゴム相場も急落して水準を切り下げたが、その後は更に下値を模索することも、安値是正を進めることもなく、強弱判断が難しい値動きになっている。

 一方、タイ中央ゴム市場の集荷量は安定しており、概ね今季の最高水準を維持している。産地では適度な降雨が観測されており、農産物生産には理想的とも言える環境が実現している。このため、産地供給環境のみをみると下振れリスクが強く警戒されるが、産地では市況対策の必要性を巡る議論も活発化しているだけに、産地相場は下げ渋っている。

 タイ、インドネシア、マレーシアの3カ国は、7月7-10日の間に会合を開催する予定になっている。タイ政府は既に単独でソフトローンの提供などの天然ゴム農家の支援策を導入しているが、今会合ではゴム相場の低迷について危機感を共有し、市況対策導入の議論を発展させていくことができるかが問われることになる。6月の会合では、ゴム相場の低迷に問題意識を共有することはできなかったが、タイ主導で何等かの政策調整で合意することができれば、ゴム相場の下値不安は大幅に後退する可能性がある。逆に、同会合でも今後の政策調整に期待を持たせるような動きが見られないと、失望売りが膨らむ可能性が高まろう。新たな相場テーマを設定できるか否かを打診する時間帯になる。

 なお、6月の米新車販売台数は前年同月比3.0%減、1-6月期通期で2.1%減となった。自動車ローン市場の過熱感が強まる中、米新車販売市場は減速傾向が強くなっている。今後は自動車ローン金利の上昇も確実視されており、新車向けタイヤ需要は米中の二大消費地で同時に逆風が強くなっている。

(マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努)

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