【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、急伸一服後の持高調整
連載 2026-01-26
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1月14日の1キロ=360.20円で上げ一服となり、350円水準まで調整売りが優勢となった。2025年12月下旬から急ピッチな値上がりが続いていた反動で、上海ゴム相場が上げ一服となり、つれてOSEゴム相場も下落した。ただし、340円台では押し目買いを入れる動きも目立ち、引き続き高値圏での取引になっている。

上海ゴム先物相場は1月14日に1トン=1万6,480元まで値上がりしていたが、その後は1万5,000元台後半まで反落している。1月19日に発表された中国経済指標が低調だった影響もあり、調整売りが膨らんだ。
中国の2025年10~12月期国内総生産(GDP)は、前年同期比4.5%増となり、前期の同4.8%増からさらに成長が鈍化した。2025年の通年では前年比5.0%増となったが、内需の不振もあって、年後半に景気減速圧力が強まったことが確認できる。
12月の経済指標も、固定資産投資が前年同月比3.8%減(前月は前年同月比2.6%減)、鉱工業生産が同5.2%増(同4.8%増)、小売売上高が同0.9%増(同1.3%増)など、全体的に低調。住宅市場の不振に加え、政府のインフラ投資も抑制され、個人消費は伸び悩んだ。ただし、中国経済減速による需要不安から、ゴム相場を売り込んでいくような動きは限定された。
中国自動車工業協会は、2026年の新車販売概数が前年比1%増の3,475万台になると予想した。乗用車が同0.5%増の3,025万台、商用車が同4.7%増の450万台。市場の拡大傾向は維持される見通しだが、大きな変動は想定されていない。2025年に続いて、ゴム需要の急激な伸びは想定しづらい環境にある。
マーケット全体を見渡すと、トランプ米大統領がデンマーク自治領グリーンランド領有の方針を示したことが注目された。反発した欧州8カ国に対して、2月1日付でグリーンランド領有を達成できるまで関税を課すと警告していたが、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務局長との会談後に撤回された。米欧関係に不確実性が高まる中、コモディティ市場では貴金属に投資人気が集中したが、その影響でゴム相場を売り込むような動きはみられなかった。
原油相場は、カザフスタンのテンギズ油田で火災が発生した影響で強含んだが、上海ブタジエンゴム相場は強弱まちまちとなった。天然ゴムと同様に、合成ゴム相場の値動きも不安定だった。
国内では2月8日に投開票が予定される衆院選に向け、株式・円相場ともに不安定な値動きになり、ゴム相場の変動要因としては重視されなかった。上海ゴム相場に一喜一憂する傾向が目立った。
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