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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、上海高と株高・円安で堅調

連載 New! 2026-01-19

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=350円台中盤まで値上がりする展開になった。1月14日高値は360.20円に達し、2025年3月以来の高値を更新した。上海ゴム相場が底固さを維持したこと、高市早苗首相が衆議院解散を打ち出すとの観測から株高・円安が進行したことも、ゴム相場を押し上げた。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万6,000元水準で底固く推移。1万5,000元台前半でのボックスを上抜いた後の急伸地合で1万6,000元台に到達したが、同水準では売買が交錯している。

 年初から世界の地政学環境が急激に不安定化していることもあり、コモディティ相場は全体的に底固く推移している。1月3日に米国がベネズエラを攻撃した一方、中東ではイランで反政府デモが広がりをみせ、治安部隊と激しい衝突が報告されている。イエメンの内戦、ウクライナ和平協議の難航など、地政学リスクの高さが再確認されている。こうした中、原油や銅、鉄鉱石、石炭などの素材市況が全体的に底固く推移していることが、ゴム相場も押し上げている。コモディティ市場全体でなにか大きな供給障害が発生しているわけではないが、供給環境の不確実性の高まりが警戒されている。

 上海ゴム相場に関しては、引き続きブタジエンゴム相場の上昇傾向も好感されている。ブタジエンゴム相場は依然として1万2,000元台前半と、1万6,000元水準にある天然ゴム相場の水準を大きく下回っているが、ゴム相場全体の底上げが進んでいるとの評価が、天然ゴム相場を支援している。

 需給面では、2月15日から中国で春節(旧正月)の大型連休を控え、中国の工場全体で原材料在庫の手当てが強化されていることはポジティブ。ゴムに関しては、タイヤ工場の過剰在庫も報告されているため、需要が著しく強くなっているわけではない模様だが、中国市場で産業用素材市況全体が強含む中、上海ゴム相場も値上がりしやすい環境になった。

 ゴム相場の独自材料としては、ウインタリング(落葉期)を迎えていることに対する関心も高まり始めている。本格的な減産圧力が発生するのは4月前後になる見通しだが、季節要因で供給水準が切り下がりやすい環境はポジティブ。ただし、OSEゴム相場で期近限月に対してリスクプレミアムを加算していくような動きは確認できなかった。

 一方、高市首相が1月23日に召集される通常国会の冒頭で衆議院解散の意向を示している。いわゆる「高市トレード」の株高・円安圧力が発生したことはポジティブ。ただし、1ドル=160円水準では片山さつき財務相が円買い介入を示唆し、円安による値上がりにブレーキをかけた。

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