【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、8月は一貫して横ばい
連載 2025-09-01
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=315~325円水準でほぼ横ばいの展開になった。8月は明確な売買テーマがないため、短期投機筋による持高調整が中心となり、月末にかけても大きな動きはみられなかった。

上海ゴム先物相場も1トン=1万5,000元台後半で小動きに留まった。1万6,000元に抵抗を受けている。7月の中国工業利益が前年同月比1.5%減と3カ月連続で減少したことで一時的に調整売りが膨らむ場面もみられたが、大きな値動きには発展しなかった。
7月21~23日の米ジャクソンホール会議では、マーケット全体に大きな動きが生じる可能性が警戒されていた。しかし、世界の株価、原油相場、銅相場なども明確な方向性を打ち出せない横ばいの展開になっており、ゴム相場も大きく動くことはなかった。
8月25日、中国南部からベトナムにかけて大型台風が発生し、ゴムに関しても供給不安を織り込む動きがみられた。しかし、大規模な生産障害は発生せず、26日には早くも熱帯低気圧に勢力を弱めたため、ゴム相場を大きく押し上げるには至らなかった。逆に土壌水分不足の地域では、今後の生産環境が安定化するとの楽観的な見方も広がっている。
タイでは引き続き豪雨も報告されており、タイ気象庁からは鉄砲水や洪水に対する注意も呼び掛けられている。しかし、ゴム相場に対する影響は限定された。
これから台風シーズンが本格化するため、突発的な供給障害が発生するリスクは高まるも、漠然とした不安感だけでゴム相場に供給リスクのプレミアム加算を促す必要性は高まらなかった。
需要サイドでは、世界経済の減速懸念が上値を抑える要因となっている。トランプ米政権の関税を巡る不確実性が縮小しているものの、各国経済指標は下振れ傾向が目立つ。ただし、コモディティ市場全体では需要不安の織り込みも一服しているため、8月末から9月初めにかけて今後発表される米中製造業指標などが、需要不安の織り込み再開を促すのかが注目される。
米国では9月利下げ観測が強まる一方、日本では年内利上げ観測が優勢である。このためドル/円相場は上値が重くなっているが、1ドル=147円台を中心に目立った動きはみられなかった。ジャクソンホール会議後はドル/円相場の急変動も警戒されていたが、為替要因でも大きな値動きは発生しなかった。
8月25日に8月限が受渡日を迎えた。受渡価格は335.00円で、7月限の329.10円を5.90円上回った。2カ月連続の上昇で、3月限の353.90円以来の高値になった。
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