【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、産地天候不順で上昇続く
連載 2024-10-07
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=416.00円まで上昇して、2011年4月以来の高値を更新した。10月1日から中国が国慶節の連休入りをしたが、ゴム相場の値上がり傾向は維持された。①産地天候不順による根強い供給不安②中国政府が景気対策に乗り出したこと③中東情勢の不安定化で原油相場が急伸したこと④為替が円安気味に推移したこと――などが、材料視されている。ただし、週後半は欧州委員会が森林破壊防止法の施行延期を提案したことで400円水準まで急反落するなど、荒れた展開が続いている。

東南アジアでは豪雨傾向が続いており、農産物全体の供給不安が高まっている。これまで土壌水分改善と歓迎ムードさえみられたコーヒーやパーム油相場なども、供給不安を織り込み始めている。豪雨による洪水、地滑りなどの災害がいつまで続くのか、見通しが立たない状況にある。このまま「ラニーニャ現象」が発生する可能性も警戒されており、供給不安の織り込みが続いている。天候相場型の値動きになるため、産地気象環境・予報次第で急伸・急落のどちらを迫られるのかが決まる不安定な地合になるが、高値更新が続いている。
タイ中央ゴム市場(ソンクラ地区)のRSS現物相場は、10月2日時点で前週比1.2%高の1キロ=89.02バーツ。特にラテックスの上昇ペース加速が目立つ。
需要サイドでは、中国政府が国慶節前に景気対策を本格化させていることが好感されている。中国人民銀行(中央銀行)は9月27日、短期金利引き下げなど追加の金融緩和を発表している。また、市中銀行に対しては住宅ローン金利引き下げの指示を出す方針も示された。年末まで残り3カ月となる中、中国政府の経済成長目標5%前後を達成するための施策が相次いで打ち出されている。追加金融緩和、財政出動も見込まれており、非鉄金属や鉄鉱石相場などが安値修正の動きを強めていることはポジティブ。
欧州委員会は10月2日、森林破壊防止法の施行を12カ月延期することを提案すると発表した。12月30日から天然ゴムやコーヒー、カカオなどを輸入する企業に対して、自社のサプライチェーンが森林破壊に寄与していないことの証明を義務付ける法案になっている。しかし、欧州を相手とした農産物の輸出入が止まり、サプライチェーンに大きな混乱が生じるとの見方が強まる中、準備期間の延長が提案されている。
欧州議会などの承認を得ることが求められるが、欧州諸国から同法案の縮小・停止要請が相次ぐ中、現実的な対応を迫られている。天然ゴム相場に対する影響は複雑だが、供給環境混乱のリスクが先送りされたことはネガティブ。
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