【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、景気減速懸念で調整売り
連載 2022-07-11
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は、1キロ=240円台後半まで下落する展開になった。250円台中盤から後半で膠着気味の展開が続いていたが、米独立記念日の連休明け後の7月5日の取引で原油を筆頭としたコモディティ相場が総崩れ状態になったことで、ゴム相場も翌6日の取引で急落する展開になった。

6月中旬から下旬にかけては、コモディティ相場全体の地合が悪化する中でもゴム相場は高値ボックス気味の展開が続いていたが、強力なリスクオフ圧力を無視することができなかった。ただ、240円台後半では押し目買いを入れる動きも強く、250円割れからの値崩れは回避された。
上海ゴム先物相場は、7月4日に1トン=1万3,175元まで値上がりし、6月13日以来の高値を更新した。しかし、7月6日には1万2,530元まで急反落するなど、極端に不安定な値動きになっている。
コモディティ市場全体のトレンドは下向きになっている。世界各国の急激な利上げに実体経済が耐えられるのか、先行き不透明感が強くなっている。パンデミックからの回復フェーズにある中国を除くと、主要国の経済指標は軒並み悪化傾向を強めており、リセッション(景気後退)にまで発展するのかは議論があるものの、少なくとも景気減速圧力が強くなっていることは間違いない。
コモディティ相場全体が急落する中にあっては、ゴム相場は相対的な底固さを見せたとも評価できる。原油や非鉄金属相場でみられたような大きな値崩れは発生していない。日本では国内在庫の低迷による期近高、中国では短期景気トレンドがV字型の回復を見せていること、ドル高圧力の影響が乏しいことなどが、ゴム相場の値下がり圧力を限定した。ただ、景気減速懸念を無視して大きく値上がりするまでの勢いはなく、総じて最近の取引圏内での値動きながら、やや上値の重さが目立つ展開になった。
東南アジアでも気温上昇傾向が強くなっており、安定した降雨が観測されている。土壌水分環境は良好であり、農産物生産全体に適した気象環境になっている。モンスーンなどによる生産障害の発生リスクに注意が必要だが、タイ中央ゴム市場の集荷量はUSS、RSSともに安定しており、供給サイドのリスク織り込みは求められていない。7月7日時点の現物相場は、USSが前週比3.6%安の1キロ=58.05バーツ、RSSが同1.6%安の61.07バーツ。値下がり傾向が続いており、下げ止まりを確認するには至っていない。
ドル/円相場は1ドル=135~136円水準をコアに横ばいで推移しており、円安主導の上昇圧力は見られなかった。
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