【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、景気の先読み難しく横ばい
連載 2020-07-06
(マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努)
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=150円台中盤を中心とした小動きに終始した。週を通じて積極的な売買は見送られ、狭いレンジでの持高調整に終始している。

上海ゴム先物相場は、1トン=1万元台前半で揉み合う展開になっている。1万元の節目割れは回避されているが、改めて買いを入れる動きは鈍く、動意を欠いている。
世界各地で改めて新型コロナウイルスの感染者数が増加している。米国では南部から西部で新規感染者数が急増しており、経済活動の正常化プロセスに不透明感が高まっている。ニューヨーク州など北東部3州は、感染者が増えている州からの移動制限を強化する一方、飲食店の営業再開を先送りするなど、対策を強化している。また、中国でも河北省安新県で約50万人を対象としたロックダウンが行われている。
現段階では、これで世界経済の正常化プロセスが破綻したとまでは評価されておらず、ゴム相場の本格的な値崩れは回避されている。ただ、このまま感染被害が広がり続ければ、再び自動車販売や生産にも影響が生じる可能性があるだけに、ゴム相場は完全な様子見に徹している。世界の株式相場も方向性を欠いており、新型コロナウイルスの感染拡大のリスクをどのように評価すべきなのか、気迷いムードが目立つ状況になっている。
経済指標に関しては、強めの数値が目立った。中国の6月製造業PMIは前月の50.6から50.9、6月米ISM製造業指数は43.1から52.6まで、それぞれ上振れしている。米国では、6月消費者信頼感指数も85.9から98.1まで急伸しており、自動車生産や販売に関連した指標は軒並み強めの数値になっている。一方、日本では5月鉱工業生産が前月比8.4%減、4~6月期大企業製造業業況判断が前期のマイナス8からマイナス34まで急低下するなど弱めの指標が目立ったが、ゴム相場に対する影響は限定的だった。新型コロナウイルスの感染被害の状況次第で、今後の経済見通しは大きく変わる可能性があるだけに、ゴム需要環境に対して悲観にも楽観にも傾くことができない状況に陥っている。
タイ中央ゴム市場の現物相場は、7月2日時点でUSSが前週比0.6%高の1キロ=39.58バーツ、RSSが同0.4%安の43.28バーツ。産地集荷量に目立った変化はみられず、産地相場もほぼ横ばいとなっている。東南アジアでは、全般的に新型コロナウイルスの感染被害は抑制されており、供給サイドのリスクを織り込むような値動きは見送られている。
7月も新型コロナウイルスのゴム需要にもたらすリスク評価が中心の展開になる。
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