【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、原油急落で反発にブレーキ
連載 2020-04-27
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=156.90円まで値上がりして3月19日以来の高値を更新した後、150円の節目水準まで反落する不安定な地合になった。

世界的に新型コロナウイルスの感染被害がピークを過ぎつつある中、今後の経済活動再開を先取りする形で地合を引き締めた。特に株価との連動性が強く、株価同様にゴム相場も反発局面を迎えていた。しかし、4月20日に原油相場が急落すると改めてリスクオフ圧力が強まり、150円水準まで下押しされる展開になっている。
上海ゴム先物相場も、1トン=1万元の節目水準での保ち合いから下放れし、9,000元台まで軟化している。
新型コロナウイルスの新規感染者数が減少に転じる中、経済活動の再開計画が徐々に本格化し始めている。各国で自動車・部品メーカーの工場稼働再開に関する報告も増えており、ゴム需要も最悪期を脱したとの安心感がある。
これから新車販売、生産環境がどのような形で回復傾向を見せるのかは、依然として不透明感が強い。長期停滞が続くのか、V字型の回復を見せるのかは、マーケットでも予想が割れている。ただ、少なくともこれ以上のネガティブ材料は出てこないとの楽観的な見方が下値を支え、緩やかな上昇地合を形成していた。
この流れを変えたのが、原油相場の急落だった。NY原油先物相場5月限は、4月20日の取引でマイナス価格に転じた。原油の売り手が買い手に対して資金提供を迫られる異常な状態が、ゴム相場の戻り歩調にブレーキを掛けた。
原油価格のマイナス化という過去に経験したことのない現象を受けて、実体経済がマーケットの想定よりも遥かに悪化しているのではないかとの警戒感が広がっている。NY原油に固有の貯蔵能力の限界という問題の影響が大きいものの、原油相場は乱高下を繰り返す不安定な地合が続いており、暫くは原油相場の動向に一喜一憂する不安定な地合が続き易い。
産地では減産期のピークを迎えており、タイ中央ゴム市場でもUSSの集荷は殆ど止まっている。RSSに関しても、減産期のピーク状態を迎えている。4月23日時点の現物相場は、USSが前週比0.8%高の1キロ=37.50バーツ、RSSが同0.3%安の40.07バーツ。労働力不足やサプライチェーンの混乱といった問題も報告されているが、マーケットの関心は需要サイドに集中しており、産地主導の価格形成は見送られている。
新型コロナウイルスによる需要ショック、原油相場の不安定化を乗り切ることができるかが当面の焦点になる。
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